高校生でも声をかけられる…(※イメージ)
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「次の仕事はアダルトビデオ(AV)の撮影」。A子さんがその事実を知ったのは、撮影前日。事務所で台本を手渡されたときだった。

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 当時、A子さんは20歳になったばかり。あまりにも驚いて、すぐに「できません」と抵抗したが、プロダクションのマネジャーは、平然とこう言い放った。

「契約した以上、現場に行かなければならないことぐらい、わかってるよね」

「どうしても、指示に従えないなら、違約金を支払ってもらうよ。100万円、現金で用意できるの?」

 A子さんがタレントとして、このプロダクションに所属したのは高校生のとき。駅前で「タレントに興味ない?」と声をかけられたことがきっかけだった。「とてもうれしかった」ので、何度か食事を一緒にした。そのたびにスカウトマンからサクセスストーリーを聞き、信頼できる人と思い、後日、A子さんはタレント活動をするための契約書に署名・拇印した。

 実績のあるプロダクションは、未成年と契約するときは親の同意を得る。だが、A子さんの場合、親の同意は得なかった。

 仕事は着(ちゃく)エロ(衣服は着ているが、バストや性器を強調するポーズを取る写真や映像)のビデオ撮影だった。すぐプロダクションをやめたいと申し出たが、「100万円の違約金が発生する」と言われた。その後も、マネジャーは「契約書」と「違約金」を盾に、仕事を回してきた。断ると「親に連絡するぞ」「学校に知られてもいいのか」と脅された。

 撮影後のA子さんへの報酬は一切なかった。だが、「契約書がある限り、嫌でも仕方がない」と繰り返し言われ、仕事に行かなかったときは、身の危険を感じるできごともあった。

 その結果、追い詰められたA子さんは、「我慢して、言うことを聞けば、嫌な仕事も終わる」と思うようになったという。今回のAVの仕事も、大人の男たちとの押し問答の末、A子さんは引き下がるしかなかった。

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