ありし日のマグロたち(写真はイメージ)
ありし日のマグロたち(写真はイメージ)
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 マグロのナゾの大量死と、生き残った“奇跡の1匹”が話題になった東京都立葛西臨海水族園(江戸川区)。6月に77匹の仲間を投入したが、その後どうなったか。

 12月中旬、記者が訪ねると、巨大水槽に群泳する数十匹のマグロが。その中で、悠々と泳ぐ大きな1匹。奇跡の“ど根性”マグロは今も生きていた。

 同園副園長で“東京都の生き物係”こと錦織一臣さんは2015年を「驚きの一年だった」と振り返る。

「水族館は動物園と違って魚の寿命が比較的短いものが多く、環境がほんの少し変わるだけでも弱る。弱った魚はほかの魚に食べられることもあり、展示する魚の死は日常的なんです。種類によっては1年後に水槽内の魚がすべて入れ替わることもあります」

 つまり「魚の死」は身近なものだっただけに、報道の過熱ぶりと周りの反応に驚いたという。

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