「芸能人やスポーツ選手は政党がお金を使わずとも知名度で票がとれるため、ターゲットになるのは当然。有名人側も仕事が頭打ちになると『第二の人生』に政治を目指す傾向がある。短大客員教授になるなど進路を模索していた菊池氏は政界と『相思相愛』で、出馬は十分あり得る。今はどの党も人材難で囲い込みに必死。菊池氏の『1億会議』起用や、スポーツ庁長官への鈴木大地氏の抜擢もそうした思惑が透けて見える」

 野党側ではSEALDsの国会前デモに参加して話題になったタレントの石田純一氏の名前が挙がるが、現実味は低そうだという。

「石田氏は首相夫人の昭恵氏と仲が良く、昭恵氏を通じて首相本人とも親交がある。そうした関係を壊してまで出馬することはないのでは」(永田町関係者)

『五体不満足』の著者・乙武洋匡氏には日本を元気にする会が出馬を打診したが、乙武氏は12月17日に菅官房長官と官邸で面会。「当選可能性を考えたら、自民を選ぶだろう」(民主党議員)との見方も。スカウト競争も「一強多弱」なのだ。

 自民党の立党60年記念式典に出席したラグビー日本代表の五郎丸歩氏も注目された。前出の有馬氏が語る。

「あれも将来に備えた『囲い込み』でしょう。ラグビー人気には政界も注目している。参院岩手選挙区で自民の1次公認から漏れていた元慶大ラグビー部監督の田中真一氏が追加公認されたのは『五郎丸効果』と話題ですし、比例区の『ラグビー枠』はまだ空席。キャスターの松尾雄治氏など元有名選手の起用もあり得る」

(本誌取材班=上田耕司、亀井洋志、小泉耕平、永井貴子、長倉克枝、永野原梨香、鳴澤大、西岡千史、秦正理、林壮一、牧野めぐみ、松岡かすみ、山内リカ/今西憲之、菅野朋子、岸本貞司、桐島瞬、柳川悠二)

週刊朝日  2016年1月1-8日号

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