「いいお天気ですね」などと添えることで…(※イメージ)
「いいお天気ですね」などと添えることで…(※イメージ)
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 子どもが巣立ち、配偶者に先立たれたら、だれもが「おひとりさま」。仲間がいれば孤独とは無縁で、生活を満喫できる。でも、退職したあと急に「友人を作りましょう」と言われても「一体どうやって?」と悩む人も多い。意外に難しいシニアの友人作り。そのヒントを紹介します。

 サークルやジムに行ったり、住まいを変えたりするのは勇気がいる。もっと手軽に友人を作る方法はないか、という人もいるだろう。そこで、専門家にコツを聞いてみた。『ひとり老後は「友活」で決まる』(ベスト新書)の著者で聖路加国際病院の保坂隆医師はこう話す。

「親しくなるための“種”は日常にたくさん落ちています。例えば近所の人への挨拶。相手の名前を加えるだけで、『あ、名前を覚えてもらっているんだ』と親しみを持たれます。さらにもう一言、『いいお天気ですね』などと添える。その繰り返しで自然に付き合いが始まることもあります」

 保坂医師が友人作りの“種”と考えるものを下記にまとめたので参考にしてほしい。

■保坂医師オススメ 日常でできる「友活」
1.回覧板を回す:近所に自分の存在を知ってもらうチャンス
2.同じ時間にゴミ捨て:同じ時間にゴミ出しに来る近所の人と知り合いに
3.公民館、役所に行く:地域のイベント情報の宝庫!
4.人気講座に顔を出す:人が多く、初対面の人ばかりで友人になりやすい
5.寺、神社の奉仕活動:共同作業をするなかで、交流が芽生えやすい
6.町内活動への参加:近隣に住む友人を作る最大のきっかけに
7.友達の友達を誘う:少ない労力で友人の輪を広げられる

 シニアライフアドバイザーの松本すみ子氏が勧めるのは「街歩き」だ。

「街を歩くだけでいろいろなものが見え、気づくことがあります。買い物は大型スーパーでせず、商店街に行きましょう。和菓子店や、八百屋など買い物のついでに店の人と世間話をしてみる。数回行けばもう顔なじみです。街歩きのテレビ番組のまねをして歩いてみると新たな出会いがありますよ」(松本氏)

 家にいてぼーっとしているだけでは、何も変化が起きない。まずは外に出てみよう。さらに松本氏は、友人作りに必要な心得10カ条も教えてくれた(下記参照)。注目すべきは第8条だ。

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