「出家料すら十分に受け取っていないのに、なぜ私が事件の首謀者なのか。裁判などの記録を見れば、私の弟らが主導的立場だったことは明らか。病死する前に弟も、それを認めていました」(三浦被告)
さらに三浦被告の共犯として逮捕された森岡保氏(67、有罪判決が確定)も本誌の取材にこう答えた。
「この事件、三浦被告の実弟がローン詐欺をやるため構図を書いた。養子縁組でうまくいかなかったので、弟が三浦被告に頼み、出家させて名前を変えさせただけです」
森岡氏は懲戒処分を受けたNHK記者に依頼され、番組に「詐欺グループの関係者」として出演した人物だ。
「私が説明したことと違った内容をNHKは放送した。事前に記者からインタビューする部屋にノックして入ってほしいなどの指導もありました」
三浦被告の弁護士はすでにNHKに対し、民事訴訟を前提にした書面を送付しているという。
「放送された内容は名誉毀損になる」(三浦被告の弁護士)
森岡氏も、同様に民事訴訟を検討しているという。
NHKは本誌の取材に対し、三浦被告からの書面については「お答えを控えます」、森岡氏が訴訟を検討していることは「承知しておりません」と回答した。
(本誌取材班=一原知之、小泉耕平、牧野めぐみ、山岡三恵/今西憲之、黒田 朔)
※週刊朝日 2015年5月29日号