時事や政治ネタにわかりやすく斬り込むトークで人気のラッパー、ダースレイダーさん(45)と“時事芸人”のプチ鹿島さん(52)。毎週金曜に配信中のYouTube「ヒルカラナンデス(仮)」でも話題の2人が、選挙の現場に突撃した「劇場版 センキョナンデス」が公開される。「選挙は祭りだ! エンタメだ!」──と進んだ先に、見えてきたニッポンのいまとは?
──東大中退のラッパー、ダースレイダーさんと新聞14紙に毎日目を通す時事芸人・プチ鹿島さん。異才2人がタッグを組んで挑んだのが、ドキュメンタリー映画「劇場版 センキョナンデス」だ。2021年の衆院選と22年の参院選をテーマに、話題の選挙区に乗り込んで、候補者の人となりや考えをユーモラスに掘り下げた。そんな2人が政治に興味を持ったきっかけは、なんと本誌の名物連載だった。
プチ鹿島:父親がよく雑誌を買ってきたんです。月刊誌は「文藝春秋」「中央公論」「月刊現代」、週刊誌は「週刊朝日」でした。だから、僕は子どものころから山藤章二さんの「ブラック・アングル」が大好きで。
ダースレイダー 僕の父と祖父は朝日新聞社の出身なんです。祖父は「朝日ジャーナル」の初代編集長を務めた和田斉、父は「ニュースステーション」のコメンテーターもしていた和田俊。僕も最初に読んだ週刊誌は「週刊朝日」で、やっぱり巻末の「ブラック・アングル」から読んでいました。
プチ鹿島:「ブラック・アングル」の何がおもしろいかって、政治家をネタにしても「これは本人も苦笑いするしかないよな」っていう描き方ですよね。「この切り口があるか!」というとんちや、大人がニヤッとするユーモア。いま僕らが目指しているものも同じです。
──2人はインターネットテレビ局ABEMAのニュース番組での共演をきっかけに親交を深め、20年4月からYouTubeの番組「ヒルカラナンデス(仮)」を開始。毎週金曜の正午から2時間ほど、時事問題についてライブ配信している。チャンネル登録者は3万人を超す。