吹雪にもかかわらず、12月2日、500人以上の支援者が亀井静香氏(78)の地元・庄原市の事務所に集結した。
「退くわけにはいかない!江戸時代の悪代官でもやらんことですよ、こんな政治は。一揆ですよ!」
打倒、安倍政権を亀井氏が宣言すると、「そうだ!」「そのとおり!」と聴衆の合いの手も入りヒートアップした。
会場を見渡した記者の目に飛び込んできたのは、「一揆だ!」と書かれた白いハチマキを巻いた50人ほどの集団だ。それぞれがうなずき、拳を握り締めながら、亀井氏を真剣な眼差しで見つめていた。
「先生は前回よりも元気になって帰ってきた。まるで国を憂う気持ちが乗り移っているようです」(亀井選対事務局)
広島6区で、亀井氏は13期目の当選を目指す。同区では、2005年に自民が支援したホリエモンこと堀江貴文氏との激戦が話題を集めた。そして、前回選挙では自民の小島敏文氏(64)に1万2331票差まで迫られた。
あれから約2年、週末になると広島に戻り、選挙区内を回り、草の根活動をしていた小島氏に、亀井氏は今回の選挙でも追い上げられている。
「情勢調査では亀井氏が優位を保っていますが、終盤で自民は大物を次々と応援に送り込むでしょうから、このまま逃げ切れるかどうか」(地元選対関係者)
公示日の前日(1日)に訃報が公になった俳優の菅原文太さんと親交が深かったが、「高倉健さんは“陰”の人だったが、彼は“陽”の人だった」と亀井氏。
記者がさらにコメントを求めると、「文太さん、亡くなっちゃったね……」。
公示直前の11月28日には『晋三よ!国滅ぼしたもうことなかれ〜傘張り浪人決起する〜』(メディア・パル)と題した書籍も出版。
「晋三に言うて聞かせてもどうにもならんから、本に書いた」
と説明したが、解散から間もないこのタイミングに合わせてきているところが、実にスゴイ。やはり解散は「想定内」だったのだろうか。
(本誌・小倉宏弥)
※週刊朝日 2014年12月19日号