「観劇ツアー」問題などで経済産業相を辞任した小渕優子氏(40)が苦境に立たされている。
地元・群馬5区では、今も東京地検特捜部の調べが続いている最中なのだ。
特捜部は10月末、群馬県高崎市の小渕氏の後援会事務所や、元秘書で前中之条町長の折田謙一郎氏の自宅、中之条町役場の町長室にまで家宅捜索に入った。
さらに今月、政治資金収支報告書の「観劇ツアー」での収支のズレをめぐり、ツアーを開催した後援会の女性幹部などから任意で事情を聴いた。ツアー参加者には、会費を支払ったかの確認を進めているようだ。今年10月8日のツアーに参加した女性が困惑して話す。
「昨日(13日)、小渕事務所の人が来て、1万2千円払ってツアーに行ったという用紙にサインしてくれ、あさって検察に提出するから早くしてほしいと頼まれました。その場で名前と電話番号を書いてハンコを押しました」
こんな状況で選挙に集中できるはずもない。中之条町の小渕優子事務所を訪ねると、男性スタッフがこう声を荒らげた。
「事務所になんで入っちゃうの。敷地内に入ると、訴えますよ」
高崎事務所も「取材はお断りしています」と回答。
捜査の進展次第では、バッジを失う可能性もある。小渕氏は議員辞職を否定しているが、そもそも選挙に出られるのか。自民党群馬県連の幹部はこう語った。
「小渕さんは出馬しますよ。地元でまだまだ人気がありますし、出れば必ず当選するでしょう」
中曽根康弘元首相の孫・康隆氏(32)が“後釜”として同選挙区から出馬するという報道もあったが、地元後援会幹部は否定する。
「中曽根氏の孫が自民党公認で5区から出たら、血みどろの戦いになっちゃう。父親の弘文参院議員は県連会長として地元をまとめなきゃいけない立場なので、そこまでしないだろう」
大臣辞任以来、公の場に姿を見せず、「子どもと一緒に都内のホテルを転々としている」(自民党関係者)という小渕氏。有権者に何を訴えるのか。
※週刊朝日 2014年11月28日号より抜粋