1年後の“代表争い”も見ものだ (c)朝日新聞社 @@写禁
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「日本維新の会」と「結いの党」が合併し、21日に発足した「維新の党」。それぞれ1度、党分裂を経験しているだけに「バツイチ同士の再婚」とも言われているが、国会議員は52人(維新38人、結い14人)にまで拡大。公明党を抜いて第3党になった。

 橋下徹(45)、江田憲司(58)両共同代表は「今後も民主党やみんなの党から仲間を募り、自民党に対抗できる勢力を結集する」とブチ上げた。注目度もなかなかで、さぞ所属議員の士気も上がっているかと思いきや、どうも違うらしい。

「〝再婚”に至るまで衝突が多すぎた。今後に自信がもてない」。そう語るのは、旧「結いの党」の議員だ。

「維新の議員からは『俺たちのほうが数が多いのだから従え』という傲慢(ごうまん)さを感じます。党名も勝手に候補を二つに絞り、どちらかに投票しろと迫ってきた。一事が万事そうした姿勢なので『もう破談にしよう』と言いだす議員も多かった。橋下さんも大阪からいきなり、『国会議員の文書通信交通滞在費の使途を公開する』と言いだした。われわれ『結い』の議員は、みんなの党時代に渡辺喜美前代表夫人の現場介入に嫌気がさして離党したのに、これでは元の木阿弥(もくあみ)ですよ」

 別の「結い」の関係者は、橋下氏と安倍政権の近さに不満を募らせる。

「橋下さんは9月8日、東京都内で菅義偉官房長官と3時間会談しています。7月の滋賀県知事選では菅さんに頼まれ、自公推薦候補の応援もした。そのくせ、『打倒安倍政権』と言っている。完全に矛盾しています。そんな姿勢で野党結集なんかできませんよ」

 一方、旧「維新」の衆院議員も負けてはいない。

「橋下さんの人気と発信力を考えれば単独の代表でもよかったのに、結い側に譲歩して2人の共同代表にした。党本部も東京と大阪にそれぞれ設置。かなり気を使っているのに何の不満があるのか。こちらが決めたことに、難癖をつけてひっくり返すのは結い側。今後はすべて多数決で決めていこうと言う議員も、ウチには多いです」

 どっちもどっちのような気がするが、新党の規約では1年後に代表を1人にするというから、再び大モメになりそうだ。

 自民党ベテラン議員は両党合流を冷ややかに見る。

「政策にもそれぞれ大きな違いがある。消費増税、原発再稼働、集団的自衛権……。国会でいざ採決となれば喧喧囂囂として結論を得ないでしょう。国会議員団の役職をめぐってもモメるはずです。そもそも官僚出身の江田さんと、タレント弁護士出身の橋下さんが、うまくいくはずがない。時間とともに亀裂は深まっていくのではないか」

 くれぐれも、スピード離婚のバツ2となりませんように……。

週刊朝日  2014年10月3日号

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