妻「親に甘えたり、助けを求めたりできないから、生活費は本当に切り詰めましたね。月に1回お給料日の前の日だけ、それまで節約した分で焼き肉食べに行ったり。何日かに1回は居酒屋で焼き魚定食を食べましょう、とか」

夫「でも、今ふりかえると、青春時代の貧乏っていいものだと思いますね」

 貧しさもつらかったが、恋人だと名乗ることを、事務所や野々村家から止められていたのがもっとつらかった。昼間に外で会うときは双方のマネジャーが同伴して4人でのデート。そして、住まいはアパートの契約更新の2年ごとに変えた。

夫「だいたい2年ごとに、芸能マスコミでうわさになったり、ファンにかぎつけられそうになるんです。だから、アパートを変えて、それでもばれそうになると、僕は実家に帰ってしばらくじっとしている」

妻「だいたい2年ごとに、結婚しようかってなるんです。ところが、『もっと仕事の足場を固めてからにしなさい』『まだ早い』と反対されては、クールダウンする。私の母からは『忍耐が大事よ』と言われてましたけど、本当に忍耐強くなったと思います」

夫「26歳のとき、さすがにもうそろそろ養っていけると、その気になったんだけど、やっぱりおふくろが、『まだまだ』(笑)。そのうち、『結婚したら家や家族に縛られるだろうから、むしろずっとこのままでいいかもしれないね』……」

妻「と思っていたら、急に義母が『あなたたちもそろそろ結婚を考えたほうがいいんじゃない。もう30歳近いんでしょう』って。えっ?ですよね(笑)」

週刊朝日 2014年8月29日号より抜粋