週刊朝日の長友佐波子編集長が、フロントランナーの女性にインタビューする連載企画「佐波子編集長のフロントランナー女子会」。今回はセブン&アイ・ホールディングス取締役執行役員秘書室長兼セブン&アイグループダイバーシティ推進プロジェクトリーダーの藤本圭子氏に話を聞いた。
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長友:秘書の仕事ってわかるようでわからないんですが……。
藤本:たとえば朝は8時から8時半の間に出社して、メールをチェックし、昨日の売り上げの数字を見ます。その数字に疑問を感じますと、関係部署に原因を聞いて、自分なりの仮説を立てておきます。そういうときは、会長が出社されると必ず「今日は何でこんな数字なんだ」と理由を尋ねられますので、自分なりの仮説がないといけないんです。
長友:その情報って自然に藤本さんに集まってくる?
藤本:そうですね。
長友:それが会長の見解と違ったら、指摘されます?
藤本:「そうかなぁ」と言われたら、もう一度、関係部署に確認をします。
長友:担当者が「よくわからないです」ってときは?
藤本:それはありませんね。数字が跳ねたり、落ち込んだりするときは、商品の導入率だとか天候与件だとか、必ず原因があります。その状況に応じて鈴木が「このメンバーを呼んで」と決めて、すぐにミーティングをするので、関係部署に「こういうことなので、こんな資料が必要かもしれません」と連絡しておきます。
長友:定例会じゃなくて、今日はこの社長を呼んで、となるわけですか。
藤本:はい。日々の変化に対応するには、昨日の方針が覆されるなんてしょっちゅうです。誤解を恐れずに言えば、朝令暮改なんです。すばやくニーズに応える、ということですね。