衝撃の凶行に判決が下された。
1997年8月、神戸市のホテルで指定暴力団山口組最高幹部の宅見勝・宅見組組長(当時61)が射殺され、歯科医師の男性(同69)が巻き添えで死亡した事件で、殺人罪などに問われた元暴力団組長の財津晴敏被告(57)の裁判員裁判が開かれ、14日、神戸地裁(宮崎英一裁判長)は無期懲役を言い渡した。
昨年6月、潜伏していた埼玉県狭山市で逮捕されるまで、16年にもわたる逃亡生活を続けた財津被告。法廷に現れた被告の頭は禿げ上がり、顔もやつれ気味。指名手配の写真とは別人のような姿で、16年間の「疲れ」がにじみ出ていた。
検察側の冒頭陳述によると、財津被告は80年に山口組系中野会傘下の組に入り、当時の会長の付き人を経て幹部となった。事件では現場の指揮役を担い、中野会幹部から資金や拳銃を預かったり、襲撃用の服を買ったりしたとされる。当日は何度も襲撃を試みたが、宅見組長を見失うなどで失敗。4度目にして、宅見組長を襲った。
財津被告は犯行時の状況をこう証言した。
「アジトがあり、ヒットマンが暴れないように、ずっと監視役をしていました」