衆院解散ですっかり影が薄くなってしまった都知事選。衆院選とのダブル選挙となったことで、どう変化するのか。動きが早かったのは、新党改革の舛添要一代表(63)だ。衆院解散前日に会見で「国政に引き続き専念する」と語った。
その余波をもろに受けたのが民主党。元プロ野球選手ら複数の名前が浮かんでは消える中で、同党都連が、出馬まで「あと一歩」という感触を得ていたのが舛添氏だったからだ。
29日の告示日が迫る中で、次の一手はあるのだろうか。都連幹部はこう話す。
「国会議員はすでに自分の選挙で頭がいっぱい。新しい候補を見つけるのは無理でしょう。そのため、すでに立候補を表明した候補に乗る案が浮上しています。有力なのは、民主党の衆院議員だった松沢成文さん(54)。日弁連前会長の宇都宮健児さん(65)という声もあるが、都議には松沢さんの松下政経塾の後輩もいますしね」
不戦敗さえ避けられればいい、という状況に追い込まれているのだ。
そんな事態に笑いが止まらないのが、石原慎太郎前都知事に後継指名されながら、いまだに出馬表明していない猪瀬直樹副知事(66)だ。みんなの党に続き、16日には自民党が支援、公明党が支持を決め、盤石の態勢が固まりつつある。
「直前の情勢調査でも2位の東国原英夫前宮崎県知事(55)に大差をつけて猪瀬氏がトップ。一部の都議は猪瀬氏に難色を示していたが、勝ち馬に乗ることが重要。投票率が上がって当選ラインが上がれば支持政党が多いほうが有利だし、このまま独走だな」(自民党都連関係者)
※週刊朝日 2012年11月30日号