南雲吉則先生の著書『ゴボウ茶若返りダイエット』(朝日新聞出版)
南雲吉則先生の著書『ゴボウ茶若返りダイエット』(朝日新聞出版)

「20歳若く見える」健康法で話題となった医師の南雲吉則氏。彼の食事法は、夜にしっかり食べるという意外なものだった。作家の林真理子氏が話を聞いた。

*  *  *

林:若く見えるため、健康のために「食べない」「お酒を飲まない」とおっしゃっています。

南雲:林さんは夜に食べますか。昼間に食べますか。

林:お昼に食べちゃえば、夜は軽くてすむんじゃないかと思って……。

南雲:それができますか。

林:できないです。夜は外食が多いので、けっこう食べちゃいます。

南雲:昼間にしっかり食べておいて、夜は食べるのをやめようと思っていても、目の前においしいものやお酒が出てくれば、たががはずれてつい食べたり飲んだりしますよね。僕は逆に朝は野菜ジュースぐらいにして、お昼はお弁当が出てもおかずだけ。糖質や炭水化物は夜に食べるようにしているんです。

林:私、夜は糖質を抜かなきゃいけないと思っていました。

南雲:昼間はつい目の前にある糖質に手を出してしまいがちだけど、糖質を食べると眠くなりますよね。昼食をしっかりとって臨んだ午後の会議なんかは眠くてしょうがなくなって、たばこを何本も吸ったり、ドロドロに濃いコーヒーを飲んだり。逆に体を壊してしまうから、お昼は軽く果物を食べるだけでいいと思います。

僕の場合、枝豆の豆腐とかナントカ湯葉とか、糖質がまったく入っていないパック入りのものを買い込んで、冷蔵庫に入れておいて食べたり、いりこや煎り豆を引き出しの中に入れておいて、ときどきポリポリ食べたりしています。

林:そのかわり、夜は糖質をおとりになる……。

南雲:夜は糖質も含んだ「完全栄養」で食べています。

林:必要な栄養素をとるために丸ごと食べるということですね。さらに、忙しい人は1日1食にして、そのかわり何を食べてもいい……。

南雲:そうですね。特に夜、食べる前におなかが「グーッ」と鳴っているときに、若返りホルモン、若返り遺伝子が出てくるんです。

林:おなかが「グーッ」と鳴っているときは、自分が若返っているときだと書いていらっしゃるから、私も「グーッ」と鳴るまでは我慢しようと思っているんです。

南雲:それで十分だと思います。食べると急に眠くなりますから、布団に入って眠ってしまうんです。

週刊朝日 2012年11月23日号