ツイッターやフェイスブックなど、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったなりすましが増えている。ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大学の山中伸弥教授の偽ツイッターにフォロワー(読者)が殺到したのは記憶に新しいところ。しかし、著名人だけではなく、一般人がSNS上でのなりすまし被害に遭うこともある。

 都内在住の20代女性Cさんは今年8月、ツイッターとフェイスブックで他人になりすまされたという。

「ある日、前の会社の同僚から、下着姿の卑猥な画像が、私の名前のツイッターとフェイスブックに掲載されていると連絡があったんです」

 驚いて確認すると、自分と同姓同名、住所や年齢なども同じアカウントで、顔が写っていない下着姿の写真が掲載されていた。ツイッターやフェイスブックでは自分と同姓同名の利用者がいる場合もあるが、Cさんの場合は珍しい名字なので、なりすましだと確信したという。

「実は、数年前にもミクシィで同じ目に遭ったことがあるんです。職場の同僚から『ミクシィしようよ』と誘われて、断ったらミクシィ上に私の偽者が登場した。そのときは、この同僚を問いつめたら自分がやったと白状しました。今回も同じ人かもしれないけど、はっきりしない。とにかく気味が悪くて……」

 Cさんは思い悩んだ末に、警察にも相談した。だが、同姓同名の可能性があるし、犯罪につながっているわけではないので何もできないと言われたという。

「警察は相手にしてくれないし、お金がかかるので弁護士にも相談できない。悪いのは相手なのに、泣き寝入りするしかないなんて本当に悔しいです」(Cさん)

 対処方法はないのか。ネット上の風評被害やトラブルの対策を行う「エーディーシー」の疋田忠明代表は、運営会社に連絡して、一刻も早く偽者を消すことを勧める。

「ツイッターやフェイスブックは、なりすましの被害に遭ったと連絡すれば、比較的簡単に偽者を消してくれます。以前は対応に時間がかかっていましたが、なりすましの被害者が増えているので、最近は対応を早めていて、数日で消してくれることもあります」(疋田代表)

 ツイッターやフェイスブックを利用するときに自分の名前で検索し、なるべく早く偽者を発見することも、被害の拡大を防ぐ上では有効だという。

週刊朝日 2012年11月9日号

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