熟女ブームに沸く日本列島。埼玉県大宮には「熟女ストリート」まで誕生し、熟女目当ての固定客もついた。しかしなぜ、大宮なのか。
事情通のキャバクラライター、テキサスさんが解説する。
「熟女キャバクラなどで働く女性は、昼間は都心で働く人も少なくない。そうした人が、帰宅途中に歓楽街で働くケースが多いと思います」
大宮駅は京浜東北線や湘南新宿ライン、埼京線などJR・私鉄合わせて14もの鉄道路線が乗り入れる日本有数の巨大ターミナル駅。都心の丸の内や渋谷、新宿など、どこからもアクセスが便利だ。しかも熟女ストリートがある「大宮南銀座商店街(通称、南銀(なんぎん)」は、古くから「夜の街」として知られ、約0.7平方キロメートルに飲食店やクラブ、キャバレーなど約400店が密集する。
「若者の風俗離れやキャバクラ離れが進むなか、お金を持っている中高年の客をつかみたい思惑も店側にある」(テキサスさん)
地元商店街も、熟女ストリートに熱い視線を送る。活性化の起爆剤に、と期待されているのだ。大宮南銀座商店会事務局長の渡邊秀夫さんは、
「昔のような、賑わいのある歓楽街にしたいと考えています」
バブル期、南銀は連日連夜、通りの向こうが見えないほど大勢の人で賑わっていたという。しかし往時の面影はいまはなく、客引きばかりが目につく。不況の影響もあるが、最大の原因は、大人が楽しめる店がなくなったためだという。クラブやキャバレーが軒を連ねるものの、特に興味をそそられるとは言い難い。そこに熟女キャバクラのような店ができれば、イマジネーションが刺激され足を運ぶというのだ。渡邊さんは言う。
「ディズニーランドが楽しいのは夢があるから。同じように、南銀に行けば楽しいことがあると、大人にとって夢のある通りにしたいと思っています」
※AERA 2012年10月1日号