※写真はイメージ(gettyimages)
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リモートワーク導入に必要なものチェックリスト(コネヒトエンジニアブログより引用)
リモートワーク導入に必要なものチェックリスト(コネヒトエンジニアブログより引用)

 新型コロナウイルスの流行は、まだまだ予断を許さない状況が続いている。政府の大規模イベント自粛継続の要請や、専門家会議が長期化する見通しを示したことなどから、緊急措置として在宅勤務を導入した企業でも延長が検討されている。しかし企業の現場からは、コミュニケーションがうまくいかない、商談の機会を逃してしまったなど、歯がゆい声も聞こえてくる。成功と失敗を分けるのは何なのか。

【画像】これだけあれば大丈夫? リモートワークに必要なものチェックリスト

 その一つは緊急の導入であったとしても、ある程度の準備ができていたか、だろう。

 クックパッドは2月下旬、開発者ブログで在宅勤務の導入状況を公開。そこでは、導入前に全従業員へのアンケートを行い、自宅のインターネット環境やネット会議のためのマイクの有無など調べ、PCやマウスなどの備品だけでなく、ディスプレイを持ち出す場合は自宅へ発送できるようにするなど、どのように環境整備を進めたのかが紹介されている。そのほか、使用しているツールやセキュリティー上の注意点、実際にどう使っているのかもまとめられ、SNSでも多く共有されている。

 子育てアプリ「ママリ」を運営するコネヒトのリモートワーク推進チーム・安達稜さんは「事前の準備も無くいきなりリモートワークになると生産性が落ちてつらいだけ。適切に設計していくにはフィードバックが大事」と指摘する。

 同社も社内向けのノウハウを公開した企業の一つ。今年1月からはリモートワーク検証期間として一部で週2日のリモートワークを試験的に導入し、業務を円滑に進めるための調査と検証を続けてきた。

「リモートワークはスキルです。コミュニケーションのためのツールが整っていなくて、マネジメントの方法が検討できていない状態で急に家で仕事をすることになっても、つらいだけでしょう。実際に弊社でも、オフィスにいるより集中した時間が取れたという声がある一方で、コミュニケーションが取りづらくなったという課題が出てきました。そこで、ビデオ会議やチャットの使い方についてルールを作ったりノウハウを浸透させるなど今も改善を続けています」

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ビデオ会議は1人1台で参加など 具体的なコツ