カズー:話題ということでいえば、「二度効き」という設計が薄い企画は、僕の中では弱いものと考えています。たとえばその製品やサービスについて最初に強い印象を残す役割がマス広告だとしたら、二度目はソーシャルメディアやイベントなどを通じて、もう一度効かせるという設計です。これはソーシャルメディアと、マスが逆でも構いませんが「二度聞かせる」でなく、「二度効かせる」ってのがポイントです。これらが話題作りやセールスドライブのポイントかな、と思っているんです。
足立:マスだけでもソーシャルメディアだけでもなく、いろんなタッチポイントを網羅して「二度効き」や「三度効き」をつくれるのがいいコミュニケーションの条件のひとつ、ということなのでしょうね。
佐藤カズー(さとう・かずー)
1997年Sony Music Entertainment入社。Leo Burnettを経て2009年TBWA HAKUHODO入社。メディアの枠を超えたBig Ideaで、カンヌライオンズ金、CLIO金、D&ADイエロー、NY ADC金、文化庁メディア芸術祭など、これまでに200以上の賞を受賞。また2012年カンヌライオンズフィルム部門審査員、2017年カンヌライオンズプロダクトデザイン部門審査員をはじめ、デザイン、デジタル、プロモーションといった多領域にわたる国際賞の審査員をつとめる。2011年JAAAクリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト。2013年Campaign誌Japan/Korea Creative Person of the Year受賞。趣味は広告のパトロール。
足立光氏(あだち・ひかる)
(株)ナイアンティック シニアディレクター プロダクトマーケティング(APAC)。P&Gジャパン(株)、シュワルツコフ ヘンケル(株)社長・会長、(株)ワールド執行役員などを経て、2015年から日本マクドナルド(株)にて上級執行役員・マーケティング本部長としてV字回復をけん引。18年9月より現職。(株)I-neの社外取締役、(株)ローランド・ベルガーやスマートニュース(株)のアドバイザーも兼任。著書に「圧倒的な成果を生み出す『劇薬』の仕事術」「『300億円』赤字だったマックを六本木のバーの店長がV字回復させた秘密」。訳書に「P&Gウェイ」「マーケティング・ゲーム」など。オンラインサロン「無双塾」主催。