投手、野手ともに好素材が多かった近畿からは京都翔英のトップバッター、大生竜万(2年・外野手・右投左打)を紹介したい。秋の近畿大会のパンフレットによると181cm、69kgとかなり細身だが、バッターボックスではプロフィールよりも体つきがしっかりしているように見え、力強いスイングが光る。初球からフルスイングできる積極性も持ち味で、近畿大会では2試合で8打数4安打の活躍を見せた。少しアウトステップするものの、膝の使い方が柔らかく下半身に粘りがあるため、外のボールについていけるのも大きい。体がもう一回り大きくなってパワーがつけば、更に怖いバッターになるだろう。

 創志学園は高田萌生(巨人)、西純矢(阪神1位)など近年好投手を輩出しているが、今年のエース三方陽登(2年・投手・右投右打)も好素材だ。180cmを超える大型右腕で、140キロを超える角度のあるストレートが大きな魅力。昨年秋は県大会、中国大会の全7試合に先発し、チームの中国大会ベスト4進出に大きく貢献した。少しインステップするのと、押し出すようなリリースで高めに抜けやすいのは課題だが、指にかかった時のボールは目を見張るものがある。春以降、フォームをしっかり固めて安定感が増してくれば、更に注目を集める存在になりそうだ。

 最後に21世紀枠からも一人紹介したい。近大高専のリードオフマン、白石晃大(2年・外野手兼投手・右投左打)だ。構えた時のグリップの位置が少し低いものの、トップの形は安定しており振り出しの鋭いスイングが光る。バットコントロールが良く、ヘッドの走りも申し分ないため確実性とパンチ力を高いレベルで兼ね備えいている。また背番号は8ながら投手もつとめ、秋の東海大会では初戦で敗れたものの先発のマウンドを任せられながら3安打を放つ活躍を見せた。惜しくも21世紀枠の選考からは外れたものの。秋は県大会で優勝しているだけに、夏こそは高専初の甲子園出場に期待したい。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員

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