絶景だけでなく、注目ポイントは、列車に用いられているHG-R300系だ。JR東日本が開発したハイブリッド気動車で、エンジン動力を駆動ではなく発電機とリンクさせ、そこで生じる電力と蓄電池の電力によってモーターと駆動させるシステムが採用されている。

 この形式は2010年に長野地区に投入されたのち、2016年にのちに紹介する「リゾートしらかみブナ編成」として運行を開始するなどエリアを拡大しているが、従来の気動車とは異なる乗り心地にもぜひ堪能していただきたい。

 列車は2両編成での運行で、座席肘掛け位置まである大型の側窓などが外観上の特徴。車内はシートピッチ120センチにも及ぶリクライニングシートを配置、運転室後を展望室とするなど、余裕たっぷりの空間が持ち味となっている。

 アテンダントが乗務しサービスにあたるほか、南小谷行きでは沿線地元有志による民話語りや伝統楽器の演奏などのイベントを実施(※中止となる場合もあり)。大糸線の穂高、信濃大町の両駅では下車散策の時間が設けられ、ボランティアガイドによる穂高神社参拝ガイドなども楽しめる(いずれも南小谷行きのみ)。

 今冬の「青春18きっぷ」期間で乗れるのは、1月4・5日のみ。乗車には別途に指定券(大人530円/子ども260円)が必要となる。

 南小谷からは大糸線を乗り継ぎ糸魚川に向かうのもオおすすめだ。糸魚川からは第三セクター(あいの里とやま鉄道・えちごトキめき鉄道)となり「青春18きっぷ」での乗車はできないが、安曇野と日本海側との分水嶺を境に気象が激変する真冬ならではの体験はほかに代え難い魅力がある。

■厳冬期の日本海を間近に!「リゾートしらかみ」

 真冬の日本海という話も出たが、日本海沿岸の情景は厳冬期にこそ引き立つ……と思う。

「リゾートしらかみ」はまさにそんな日本海の魅力を満喫できる列車の代表格。五能線(東能代(ひがしのしろ)~川部(かわべ)間)を舞台にする観光列車で、秋田~青森間に1日3往復が設定されている(3・6号は秋田~弘前間)。

 1997(平成9)年にデビュー、大型窓や半個室など充実した設備でも人気を集め、現在は「ブナ」と「青池」「くまげら」の3編成で“しらかみファミリー”をつくっている。

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日本海の絶景に加えて、体験メニューやご当地グルメも楽しめる