A氏の仕事は、原子力の専門家として汚染水の処理について理解を得られるようにすることだが、有識者会議の委員の一人は「委員を侮辱するような発言だ。今後の委員会への対応も検討したい」と話す。

 A氏は、今年5月に過去の対談では、「処理水の問題は専門性も高く、県外や首都圏には積極的に関心を持ち続けてくださる方が少ないのが現状です。私個人としては、引き続き地元でのコミュニケーションを、少しずつでも継続していきたい」と話していた。それがなぜ、このような内容の投稿をしたのか。

 投稿の真意について、A氏に直撃したところ、「意図しない人たちに不快な思いをさせたことは、申し訳なかったと思います」と話した。有識者会議を批判したと取られる内容については、

「有識者会議の議員の発言について批判したものではありません。風評被害を心配されている地域の人に向けて言ったものではなく、(関係者以外の反対派の人に)科学的根拠を踏まえてご発言していただきたいという趣旨です」

 A氏は、問題の投稿の2日前にもフェイスブックに投稿している。そこでは、人気アニメ『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナンの「言葉は刃物なんだ。使い方を間違えると厄介な凶器になる。言葉のすれ違いで、一生の友達を失うこともあるんだ」という言葉を引用していた。投稿した内容は言葉のすれ違いなのか、それとも思わず本音が出たものなのか。いずれにしろ、汚染水問題で悩む人たちを“言葉の凶器”で傷つけたことは間違いない。

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■A氏との一問一答

──「廃炉に責任を負ってない人はピーチクパーチク言えるけど」との内容は、どのような趣旨だったのですか。

 誤解を与えてしまったことは申し訳ないと思います。意図しない人たちに対して不快な思いをさせてしまったことは、そういう趣旨ではないです。

──「そういう趣旨」とは?

 たとえば、地域の方々で反対の人もいますし、賛成の人もいます。そういう人たちの意見をまったく無視するという趣旨ではないです。

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委員の発言を批判したものではない