『戯伝写楽 --その男、十郎兵衛--』の稽古が始まりました。
主演の斎藤十郎兵衛役の宮野真守くんを初め、ヒロインのおせい役に城戸愛莉さん、その他中村まことさん、玉置玲央くん、板倉チヒロくん、初音映莉子さんなど、多方面で活躍中の方々が顔を揃えました。
僕自身、一緒に仕事をしたことがある役者さんは一人もいません。
そういう現場も珍しい。
プロデューサーの朴?美さんも、どんな気持ちで来たらいいのかわからなくてかなり緊張したとか。
人気声優であるとともに演劇集団・円で女優として活躍中の朴さんだから、自分が演じなくてもいい現場で、どう居たらいいのか困ったのかもしれない。でも、本読みが終わったあと「聞いているだけでいい現場ってこんなに気が楽なの」と、冗談半分で笑ってもいましたが。
今回のキャストは声優、小劇場、新劇と、それぞれジャンルの違う芝居で活躍しているキャストを集めています。
この異種格闘技とも言える役者達のエネルギーをまとめて、どういう芝居を作っていくか。演出の中屋敷くんの腕力が問われます。
劇団『柿喰う客』で作・演出をつとめる中屋敷法仁くんは、同世代の小劇場演劇の中では、かなり異色の存在です。
現代口語演劇と呼ばれる、静かな会話劇が主流の世代の中で、一人、客席に向かって台詞を吐いたり、見得や七五調の韻をふんだりなどの台詞を言わせたりと、かなり虚構性の強い舞台を作ります。
僕はまだ、二作ほどしか観ていないのですが、どちらも見終わった瞬間は、面白かったのか面白くなかったのかよくわからない。自分の中で処理出来ない感覚なのです。
でも、二三日、芝居を頭の中で反芻していると、だんだん「待てよ、あの芝居は面白かったんじゃないか」と思えてくるという不思議な芝居です。
先日、そのことを彼に告げたら、それでいいんですみたいなことを言っていたので、狙ってそういう芝居を作っているようです。
主演の宮野真守くんは、『DEATH NOTE』の夜神月や『ガンダムOO』の刹那・F・セイエイ役などが有名な人気声優。
ですが、劇団ひまわり所属で子役時代から顔出しのドラマなどもやってきた経歴の持ち主で、以前から何か一緒に舞台ができないか朴さんと共に相談を受けていました。
本格的な舞台の主演は今回が初めてということで、気合いは充分です。
今回の『戯伝写楽』は、そういう若い才能のぶつかりあいから、パワーに満ちた舞台が生まれるのではないか。そんな気がします。
ですが今の時点では、僕自身、どういう風に仕上がってくるのか、想像もできません。ただ、中屋敷くんには、何か大胆なプランがあるようなので、それがどのような形で出来上がってくるか、稽古場に足を運ぶのが楽しみです。
『戯伝写楽 --その男、十郎兵衛--』は、3/10~27、東京、吉祥寺シアターで上演されます。ご期待下さい。
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