また、深夜帰宅の会社員にとって、知らない者同士がスムーズに相乗りできるなら、毎晩乗っても経済的負担は大きくなりません。 拙著にも書きましたが、相乗りタクシーが制度として誕生するのも近そうなので、BRTとの2大交通手段はタクシーということになるのではないかと思います。
●絶対距離2キロの魅力
それもこれも、晴海フラッグが都心から近い位置にあるからこその話です。晴海フラッグは郊外のバス便マンションとは明らかに違うのです。
なにせBRTなら新橋まで信号待ちや交通渋滞もなく10分で到達できるというのは魅力です。銀座もすぐ目の前です。新橋の先は虎ノ門、霞が関、その隣は丸の内、大手町のビジネス街が広がります。そこは、多忙な国家公務員と大企業のエリートたちが膨大に勤務している国の中枢エリアです。かれらは職住近接を望んでいます。しかし、希望地域での購入は、価格の高さに半ば諦めています。それが手ごろな価格で買えるとなれば飛びつく人は少なくないと思います。
もっとも、中古市場で高く転売されるようになると元も子もありませんが、その懸念は小さいと考えます。
なぜなら、価値観は人それぞれで、晴海フラッグをネガティブに捉える人も少なくないからで、例えば、「でも所詮バス便でしょ?」「埋立地はどうもね」「自転車で通うのはいやだ」「会社は新宿だから、晴海ではちょっと」「海が見える家は評価できるけど眺望の悪い家では価値がない」などという否定派はいることでしょう。
●リゾート地がビジネスエリアに接している
「想像するに、ここはリゾート地のようなところだね」と語った人がいました。緑が多く、季節によっては青々とした木々が目に優しく、芝生広場のある街は、老若男女が楽しく暮らせる街になるのかもしれない。そんな期待が膨らみます。
ここがビジネスエリアのすぐ隣にある「オアシス」とするなら、仕事しながら余暇がいつでも楽しめる、非日常と日常が隣合わせになっている街ということになるのです。
有明地区も、似たような性格を持つ街であると聞きますが、晴海フラッグほど霞が関にも丸の内にも近くない点で大きく異なります。