この記事の写真をすべて見る
全国放送のワイドショーにレギュラー出演するお笑い芸人のカンニング竹山さん。ここ数年で、いろいろな“専門家”が出るようになってきたと指摘する。視聴者が気をつけるべきこととは?
* * *
情報番組で僕が何か言うと、必ず「芸人のくせに」って言われるんですよね。でも、ここ数年でジャーナリストの仮面をかぶったタレントっぽい人ってかなり増えていると思うんですよ。
例えば、弁護士芸人、IT社長芸人、経済アナリスト芸人、大学准教授芸人、元警察芸人、元官僚芸人とか。僕はそういう人たちをあえて「ジャーナリスト芸人」って呼んでいます。テレビには出ないけど本業で優秀な人はたくさんいるし、短くわかりやすく解説するという意味では彼らがやっていることはテレビ芸だから。
昔と違って情報番組にもニュース番組にも、そういう人たちがたくさん出ていて、自分の専門分野じゃないことでもさもありなんと解説しているわけです。経済アナリスト芸人が米中の外交問題とかね。でも視聴者も「なんとなくすごい人」って思って、その言葉を信じちゃうことって多いと思うんですよ。
僕らが「芸人のくせに」って言われるのと何が違うかというと、その人のもう一方の本業のことを、みんなよく知らないからだと思うんですよね。僕らの本業のお笑いのことはバラエティー番組で見ているから知っているけど、IT社長も経済アナリストも弁護士も、本業は見えない。だからよくよく考えると専門外の適当な解説でも、テレビの視覚と聴覚を使ったマジックで専門家っぽい雰囲気になって、騙されちゃうんですよ。今はニュース番組でもそれがまかり通っているから、それを見つけるのも面白いと思っています。
新聞とか既存のメディアでは、この現状を批判する人もいますが、僕は良いも悪いも無いと思っています。そもそも本業のジャーナリストがきちんと世に知らせることができなかったから、わかりやすく説明する人が必要になっているという面もあるでしょ。