ファンも増え、ミュージカル俳優として飛ぶ鳥を落とす勢いの城田優だが、幼少の頃やデビュー当時から順風満帆だったというわけではない。
「ドラマ『ROOKIES』(2008年/TBS系)などでブレイクしたころ、城田さんが『天狗になっている』と悪評がたったこともあり、一時は干されているなんてウワサもありました。ところが、ドラマの監督やミュージカルの演出などを経験し、一皮も二皮もむけた城田さんは、場の空気が読める、場を盛り上げてくれるなど、業界での評価はうなぎのぼりです。母親がスペイン人、父親が日本人のハーフというバックグラウンドがあり、スペインに住んでいた時も日本に住んでいた時も『外国人』と言われ、切ない思いをしたこともあったそうです。そんなつらい経験も彼の現在の地位を築いた一端になったことは間違いありません」(テレビ情報誌の編集者)
城田優の現在の活躍の影に「母の存在がある」と証言するのは芸能リポーターの川内天子氏だ。
「城田優さんの母親は19歳でスペインから来日し、タレントや通訳者として活躍する一方、3度の離婚と4回の結婚をするなど壮絶な半生を送ってきました。子供たちは母親のことを『毒舌おしゃべりモンスター』と呼んでいるそうですが、異国からやってきて相当、苦労したに違いありません。城田さんが子供の頃にいじめに遭っていたとき、母親から『私は地球人だと言ってやりなさい』とアドバイスした話は有名ですが、彼女の人生経験が城田さんにも影響し、今日の活躍に繋がっていることはたしか。例えばあるインタビューで『人間観察が好き』と言っていました。これもマイノリティとして社会で生きてきた経験から来ていると思いますが、役作りという点ではとてもプラスに働いています。今後も年を重ねるにつれ、役に一層、深みが出てくると思うので将来が楽しみです」
近年は美声を生かしたミュージカル俳優としての地位を確立している城田優。6月にはブロードウェイミュージカル「ピピン」日本語版にて、主演のピピン役を務める。また11月にはミュージカル「ファントム」にて、本作初となる、主演ファントム役と演出にも抜擢された。ただのイケメンの域にとどまらない、進化をし続けるマルチプレーヤーの城田優にぜひ注目を。(ライター・高梨歩)