大谷翔平 (c)朝日新聞社
大谷翔平 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る
公文克彦(左)と大田泰示 (c)朝日新聞社
公文克彦(左)と大田泰示 (c)朝日新聞社

 若手の育成に定評があるのが日本ハムだ。ダルビッシュ有、大谷翔平中田翔、西川遥輝(はるき)、近藤健介とドラフトで獲得した高卒の選手たちが、球界を代表する選手に成長している。他球団でくすぶっていた素材を輝かせる能力も高い。16年オフに巨人とのトレードで獲得した大田泰示が代表的な例だ。17、18年と日本ハムの2年間で計29本塁打。巨人では松井秀喜氏がつけていた背番号「55」を継承するなど期待が大きかったが、8年間で計9本塁打と伸び悩んでいた。なぜ大田は新しい環境で輝きを取り戻せたのか。日本ハム関係者の言葉が興味深い。

【写真】成長した日ハムの大田と公文はこちら

「巨人の重圧から解放されて伸び伸びプレーしているのが好結果につながっていると分析している人もいますが、そんな甘い世界ではないですよ。巨人がどのような指導をしていたかはわかりませんが、大田に限らず打席でのプロセスを大事にします。例えば外角の逃げる球を追いかけて空振りするのが悪癖だったら、この打席は外角のスライダーは捨てろと割り切らせます。もし外角のスライダーで見逃し三振に倒れても責めません。若い選手は2軍に落ちたくないと結果を求めるあまり、すべての球に手を出して自分の良さを失うケースが多い。じっくり育てるためには首脳陣も覚悟が必要だと思います」

次のページ
公文も不可欠な存在に