個性派俳優、佐藤二朗さんが日々の仕事や生活の中で感じているジローイズムをお届けします。
【画像】10年で「メタボは進化した」? 口だけ達者な中年ニート・芝二郎の変遷
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知っている人は知っているけど、知らない人はまるで知らないという、当たり前のことではありますが、そんな映画があります。不肖わたくしが主演の映画で、一部(いや一部というのは無用な謙遜かな。ここは思い切って、三部)のコアな方々からありがたくも支持され、シリーズ4作品が製作された「マメシバ」シリーズなるものであります。タイトルを一作目から並べますと、「幼獣マメシバ」「マメシバ一郎 3D」「マメシバ一郎 フーテンの芝二郎」「幼獣マメシバ 望郷篇」。2作目、なぜに3D?というのはさておき、僕は「芝二郎」という、口だけ達者な中年ニートの役を演じております。
で、今年、「柴公園」という映画が6月に公開されますが、実はこの映画にも「芝二郎」登場します。他にも2011年に公開された「犬飼さんちの犬」という映画にもお邪魔しておりまして、上記4作品と併せますと、「芝二郎」、6度目の登板と相成ります。
最初の「幼獣マメシバ」がちょうど10年前。今年で50歳になる僕がよもやまた、芝二郎を演じることになろうとは。10年前より当たり前のように白髪は増え、老眼になり、メタボは進化した、口だけ達者な中年ニートに成長はあるや否や。
で、先日、映画「柴公園」の取材で、久々に芝二郎を演じたことについて記者さんから色々聞かれました。困りました。記者さんはもっと困ったと思います。実は僕、犬の映画で主演した経験がある人間にあるまじき発言なんですが、犬が好きでも嫌いでもなく、興味がないのです。
これ、10年前から一貫(?)しておりまして、1作目の番宣でテレビ番組に出た時も、MCの今田耕司さんから「でも、さすがに撮影を終えた今は、犬に興味が沸いてきたんじゃないですか?」と聞かれ、「……いや、特に変わんないス」と答え、「なんやの君!」と困らせてしまったことがあります。で、10年が経ち、先日取材を受けた時もやっぱり気持ちは変わらず、とはいえ犬の映画だからといって、思ってもいないのに「犬、大好きです!」と嘘はつけず……。記者の皆さま方、本当にごめんなさいでした。