ただですね。舞台とかで「全然緊張してない日はヤバイ」と言われたりもします。ある程度気が張ってないと、何か失敗をする可能性が高くなるということだと思います。
そもそも、緊張する場面があるということは、それだけで恵まれてるという気もします。うまくやらなければいけない「勝負」の機会があるというのは、幸せなことなのではないかとも思うのです。
いま俺は、成功と失敗の狭間で勝負を挑んでるんだ、立ち向かってるんだ、さあ見よ、緊張している俺を存分に見よ、そんな風に思えたら、緊張とも多少はうまく付き合えるかなと思ったりします。緊張は幸せ、緊張はカッコいい。まあ、言うは易しかもしれませんが。
そんな感じで、日頃から「俺、人前に立つような人間じゃないのになあ」と思ってる僕は、相変わらず、人前でウジウジ緊張しながら、役者稼業に邁進したいと思っています。(文/佐藤二朗)