DA PUMPのISSAさん (c)朝日新聞社
DA PUMPのISSAさん (c)朝日新聞社

 2018年も残すところ2カ月を切ったが、毎年この時期になると「NHK紅白歌合戦」とともに音楽業界で話題に上がるのが、「日本レコード大賞」の選考の行方だ。

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 同賞は、音楽業界最大の賞レースとされ、77年には毎年TBS系で放送されている中継番組「輝く!日本レコード大賞」が平均視聴率50.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録するなど、かつては大きな注目を集めていた。

 だが、近年は視聴率が低迷し、インターネット上などではその選考を疑問視する声もあがっている。

 もっとも、こんな意見も……。

「05年には10%まで落ち込んだ『レコ大』の平均視聴率ですが、じつはここ数年は2桁台半ばをキープしています。娯楽の多様化などによりテレビ離れが進み、他の番組も押し並べて視聴率で苦戦している中、この“数字”は悪いとも言い難く、健闘しているという見方もある。それに、いまだに業界内での権威は健在で例年数多くの人気アーティストが出演していますしね。最近は賞の選考などに関するネガティブな報道もチラホラ見受けられますが、シビアな話、数多ある音楽賞の中でも毎年のように話題になるのは『紅白』と『レコ大』くらいのものでしょう」(音楽誌編集者)

 そうした中、例年以上にヒット曲の存在の印象が薄い今年は、「大賞」をはじめとする各賞の選考も難しそうだ。

「話題性という点では、前時代的なダンスが若者を中心に“ダサかっこいい”と注目され、SNS上でバズッたのをキッカケに、世代を超えて一大ブームを築いた「DA PUMP」の『U.S.A.』でしょう。同曲が何らかの賞を受賞することや番組への出演は間違いないと思いますが、『大賞』の受賞となると、洋楽が原曲という点がネックになると言われています。過去には、西城秀樹さんが79年にリリースした『YOUNG MAN』が大ヒットを飛ばして、同年の『日本歌謡大賞』『FNS歌謡祭グランプリ』を受賞し、『紅白』のステージでも披露しましたが、洋楽のカバーという理由で『レコ大』の審査対象からは外され、西城さんは同年にリリースした『勇気があれば』という別の曲でのエントリーとなりました」(芸能評論家・三杉武)

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