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18年間もネットデマに苦しめられた芸人 「長期化」する訳とは?

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by 越膳綾子

ツイート数はまたたく間に増える(AERA 2017年7月3日号より)

ツイート数はまたたく間に増える(AERA 2017年7月3日号より)

 地に落ちたイメージを回復させて、業績も上向かせる……。これまで、多くの企業が直面し、その実現に腐心してきた。これは、個人の場合でも同じこと。落ち込んだ底が深ければ深いほど、復活には時間がかかる。AERA 2017年7月3日号では、「どん底からの脱出」と銘打ち、見事V字回復した企業を大特集。そのとき企業は、個人は、何を考え、どう振る舞うべきなのか。当事者たちの話を聞いた。

*  *  *
 お笑い芸人スマイリーキクチさん(45)のブログのコメント欄に、今年3月、殺害予告が書き込まれた。予定されていた生放送番組への出演はキャンセルに。彼は諦めたように言う。

「これからもずっと消えない、デジタルタトゥーですね」

 実に18年間にわたり、「デマ」に苦しみ続けてきた。発端は1999年。インターネット上の掲示板「2ちゃんねる」に突然、89年に東京都足立区で起きた女子高生殺害事件の共犯者だと書き込まれた。10代の少年が集団で女性を殺害した凄惨な事件。キクチさんは無関係だが、足立区出身で加害者と同世代だったことで、「共犯者」とされた。

●明確な攻撃対象の存在

 事務所ホームページの掲示板には「死ね」「殺す」などと書き込まれ、掲示板を閉鎖すると、キクチさん出演のCMのスポンサーに「殺人犯を出すな」などの電話が相次いだ。2008年から09年にかけて、警察は特に悪質な書き込みをした19人を検挙したが、被害は続いている。

「削除要請は聞き入れられず、共犯者として僕の名前はいまもネット上に残っています。それを見た人が殺害予告などを仕掛けてきて、19人が検挙されたことこそデマだとする書き込みもありました」(キクチさん)

「人のうわさも七十五日」は「どんなうわさも一時的なもので季節が変われば忘れられる。放っておけばいい」という意味のことわざだが、「七十五日」はもう通用しないのだ。

 一方、爆発的な拡散がすぐに収束するケースがあることも事実。メディア論が専門の中央大学・松田美佐教授はこう話す。


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