旧統一教会系団体に参院選の応援「希望する議員いれば記入を」 自民党が幹部の議連でアンケート

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銃撃事件
世界平和連合のホームページ。旧統一教会関連の政治団体「国際勝共連合」へのリンクがある

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党との関係や選挙支援などが指摘されているなか、旧統一教会の友好団体と自民党の国会議員による「日本・世界平和議員連合懇談会」の総会が今年6月、議員会館内で開かれ、7月10日投開票の参院選の応援などについて話していたことがわかった。

参院選で世界平和連合の応援を希望する議員は記入するようにと書かれたアンケート用紙

 AERAdot.が入手した当日の式次第や役員案などの総会資料と出席者の証言によると、総会は6月13日に衆院第1議員会館の国際会議室で開かれた。司会は同懇談会事務局長の宮島喜文前参院議員が務め、挨拶には会長代行の奥野信亮衆院議員、役員選出などの議事を幹事長の御法川信英衆院議員が務めている。

 そして、「報告」では、「世界の議員連合の状況」と題し、顧問の梶栗正義氏が講演したという。梶栗氏は、旧統一教会関連の政治団体「国際勝共連合」の会長で、同じ関連団体のUPF-Japan議長でもある。

 講演の際に配られた、これも旧統一教会の関連団体、平和政策研究所(IPP)が発行する「政策情報レポート」も入手した。

“太平洋新文明圏時代の到来と戦略的朝鮮半島政策確立への提言”と題し、日米韓の連携強化や日韓姉妹都市交流の推進、旧統一教会が以前から提唱している「日韓トンネルの早期具体化」などについて、A4判に7ページでまとめている。

 議事では、役員の選任もあった。資料の役員案では顧問に、前出の梶栗氏のほか、大野功統元防衛庁長官や原田義昭元環境相、三原朝彦元防衛政務次官らの名前がある。

 会長代行と幹事長は前述のとおり、それぞれ奥野氏と御法川氏。副会長は逢沢一郎衆院議員となっていた。

 幹事にも、平井卓也前デジタル担当相ら21人の衆参自民党議員が並び、事務局は、前出の宮島議員と、事務局次長に鳩山二郎衆院議員。資料に書かれていた議員はすべて自民党だった。

 式次第の「懇談」の項目には、「参議院議員選挙について (アンケートに記入)」とある。総会資料の最後のページはアンケート用紙になっており、今後の議連の活動に対する意見などを尋ねる項目と、もう一つに、

総会で配布された平和政策研究所(IPP)が発行する「政策情報レポート」

「次期参議院選挙の地方区で、世界平和連合の応援を希望する議員がおられればお書き下さい」とある。

 世界平和連合も、旧統一教会の友好団体で梶栗氏が会長を務めている。

 懇談会に参加していた、自民党の関係者は、

「一般的な議連、懇談会とはちょっと違った異様な雰囲気でした。先生方の表情も普段より硬く、宗教的なものも感じて調べたら、旧統一教会系の団体が入っていました。ラウンドテーブルの会場に現職の国会議員は15人くらいきていたように記憶しています。参院選が目前で、手伝ってほしいならアンケートを書けって、こんなことはあまり聞いたことがない」

 と当時の様子を話した。

 総会では、ある議員から「この懇談会に入っていればしっかり応援してくれる」といった趣旨の発言があり、旧統一教会系の応援を隠すことがなかったという。

 総会の出欠などを事前に確認する「ご案内」の文書には、「皆様のご理解とご賛同をたまわり80名を超える入会をいただきました」とある。関わり方の濃淡はあるにせよ、自民党の国会議員らが80人以上、会員として名を連ねていることになる。

 事務局長の宮島前参院議員の元秘書に議連の趣旨などについて聞くと、

「議連はどこも同じだが、会の趣旨を詳しく把握して参加しているわけではありません。事務局長でしたが、役割は出欠の窓口だけ。世界平和連合から『いついつにやるよ』という案内が各議員に送られて、各議員からくる出欠を事務的に管理していただけです。議連の趣旨は世界平和連合に聞いてもらったほうがいい。世界平和連合と中身の打ち合わせはない。世界平和連合が決めていました」

 などと答えた。

 事務局次長の鳩山氏は、

「父親、鳩山邦夫の関係で懇談会に出たように思います。たしか、ご挨拶をしてすぐに会場を後にしたのではないか。旧統一教会の関連団体というのは、なんとなくそのような気はしていた。事務局次長という肩書となっているようですが、実はそう熱心に活動しているわけではありません。これからの関係については、考えなければなりません」

 としている。

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が入る建物

 幹事としてメンバーに入っている中村裕之衆院議員は取材に対し、

「私は同じ派閥の先生からお誘いがあり、この懇談会にお誘いがあって参加しました。旧統一教会と何らかの関係はあるような気はしていたけど、報道を見て、ここまでとは思いませんでした。昨年10月の衆院選では、いわゆる電話作戦などで、旧統一教会の関連団体から応援をいただいていました。今、自民党として旧統一教会の関連団体との関係、対応をどうするか検討しているので、今後はそれに従っていくつもりです」

 などと答えた。

 同じく幹事の神田憲次衆院議員は、

「先輩議員から言われて幹事として名前を連ねている。今年6月の懇談会には出席したのかはっきりしない。旧統一教会の関連団体の懇談会であることは知っていた。そこを確認したら『今はコンプライアンス上、問題がありません』と彼らは話していたので、大丈夫かという認識でいました。しかし、安倍元首相の事件後、旧統一教会のことが大きなニュースとなっている。今後は関わり方を考えるつもりだ」

 と話した。

 他の幹事の議員や秘書らからも、「旧統一教会関連の懇談会とは知りませんでした」「祝電は送ったことがあるが、反社会勢力などでなければ、機械的に送っているものです」「教育関係の政策について意見交換をする程度。何かを頼まれたことはありません」「幹部に名前を連ねているだけで、議連で役割があるわけではありません」「国連NGO団体の活動に関連する議員の集まりのお誘いが議員仲間からあり参加しました」といった、特別な関係性を否定する内容の回答が多くあった。

 世界平和連合はどういう考えなのか――。

 議連の趣旨や総会での参院選についての話、先の参院選で応援を希望する議員の有無、実際に応援した候補者の人数などについて問い合わせた。

 世界平和連合は議連の趣旨について、「当該集会について答える立場にありません」と回答。参院選について話し合われた内容と応援を希望する議員がいたかについては「当該集会について答える立場になく、承知もしておりません」。

 また、先の参院選で実際に何人の候補者を応援したのか、どういった応援をしたのかについては、

「個々の議員の政策が我々の理念と一致する場合に応援することがありますが、詳細につきましては相手方のあることであり、答えを控えさせていただきます」

 と回答した。

 前出の宮島事務局長の秘書は、議連のことは世界平和連合が決めているなどと話していたが、食い違う回答内容だった。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会の加納雄二弁護士は、

「旧統一教会が国会議員と関係を深める、選挙支援するのは広告塔に使えるから。その結果、信者になると寄付や高額な多宝塔など買わされ、経済的に大きなダメージを受け、最後は山上容疑者のような家庭崩壊、人格まで破壊される。旧統一教会と付き合うことは反社会的な宗教に協力していることと自覚してほしい」

 と指摘している。

(AERAdot.編集部・今西憲之、吉崎洋夫)

総会資料
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