世の中に貧困が存在することは知っていても、実際に肌で感じてみなければ本当に理解することはできません。
「ここでは、多様性あふれる環境の中で、それぞれが問いを立て、それを解決するための行動を起こす活動を行っています。生徒たちは失敗を恐れずにチャレンジする訓練を積み、何か新しいことに挑戦した人は称賛される文化があります。卒業生は世界の大学に進学する人もいれば、自ら起業する人、ギャップイヤー(大学に合格した学生が、高校卒業後に一定の休学期間を得てから入学する制度)をとる人など、その進路もさまざまですね」
以下に、同校の教育のポイントをまとめました。
◎まずは身近な問題から取り組み、失敗を恐れず行動できるように
プログラムの特長の一つが、国内外の問題を解決するスキルを磨くリーダーシッププロジェクト。例えば近隣地域の林業の衰退危機を救うために森林の活用法を考えたり、ネパール地震の際にはクラウドファンディングで約400万円を集めて医療センターの支援を行ったりしている。
◎出身国や価値観が多種多様な中で国際バカロレアのプログラムを学ぶ
授業はすべて英語で、高校2~3年の2年間で国際バカロレア・ディプロマ・プログラム※を学ぶ。修了すると世界約75カ国の大学へ進路が開かれる。
※国際バカロレアとは、国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。世界140以上の国・地域、5000校以上で実施。3~19歳まで年齢に合わせて四つに分けたプログラムがある。
◎寮生活もクラブ活動も「生徒自治」がモットー
寮生活やクラブ活動など、学園生活は生徒自治が基本。やりたいことやルールなどは生徒たちで決める。多様な価値観の中で話し合い、みんなにとってのベストを考える。
◎野外教育は必須! チームワーク力を高める
登山やスノーシューイング、キャンプなどの野外教育を通じて、生徒たちの責任感を養い、仲間や自然を大切に思う気持ちを育みながら、リーダーシップやチームワークの力を磨く。
(取材・文/石渡真由美)
※発売中の「AERA with Kids秋号」では、その他にも山村留学や自由教育、通信制高校などさまざまな「多様化する学びの場」を取り上げています。