また、ここ数年増加傾向にあるのが、プログラミング入試だ。大妻嵐山(埼玉県嵐山町)、相模女子大学(神奈川県相模原市)など、当初は女子校が導入。その後は女子校だけでなく共学校の聖徳学園(東京都武蔵野市)、駒込(東京都文京区)、八王子実践(東京都八王子市)へ、さらに女子校の聖和学院(神奈川県逗子市)へと広がった。今年は品川翔英(東京都品川区・共学校)、静岡聖光学院(静岡県静岡市・男子校)でも導入された。

 聖学院(東京都北区)ではすでに3種類の「思考力入試」を実施。そのうちの「ものづくり思考力」は、与えられたテーマに沿ってレゴブロックで立体を作り、その後どのような意図で作ったのか記述するというもの。制作の過程や受験生の意欲なども採点の対象になる。評価は、学習の達成度を段階的に設定したルーブリックという手法を用いて行う。

 本好きの受験生に人気なのが、読んだ本の面白さをプレゼンテーションで伝える「ビブリオバトル」だ。前出の聖和学院は今春「ビブリオバトル入試」を新設。すでに同校の2科入試で合格を決めながら「好きな本をアピールしたい」と、受験した生徒もいたという。

「とても楽しそうな様子が印象的でした。通常の入試だと受験生は緊張しながら問題を解きますが、新タイプは楽しんで受けている受験生も多いですね」(北さん)

■日本一、入試の種類が多い学校の狙い
 
 新タイプ入試の先駆けとなったのが、宝仙学園共学部理数インター(東京都中野区)だ。2010年から「適性検査型入試」を導入している。その経緯を富士晴英校長は次のように話す。

「公立中高一貫校が実施している適性検査は教科横断型の総合的な問題で、非常に質がいいと感じた。ロジカルシンキングを育てるという本校の教育観とも一致しました」

 同校では、毎年のように入試の種類を増やしており、今年はプレゼン型のリベラルアーツ入試や読書プレゼン入試、アクティブラーニング型など11種実施した。新設したのが「オピニオン入試」だ。学校から出されたテーマについて事前に調べておき、さらに当日配布された資料と合わせて自分の考えをプレゼンする。テーマは「20年後、どのような未来が待っているかを創造しなさい」という内容。入試を取材した北さんは「非常にしっかりした、素晴らしいプレゼンだった」と評価する。

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