安浪:勉強には主にインプット(授業を受ける、教科書を読む)とアウトプット(問題を解く、ノートに書く、説明する)などがありますが、やはりアウトプットの量が足りないし、やり方を間違っている子が多いですね。アウトプットの部分はどうしてもめんどくさいから子どももやりたくないし、親も正しいやり方を知らない。

佐藤:インプットしたら知識が入っているかというと大間違い。

安浪:算数の場合、ちゃんと式や図を書いているかどうかです。

佐藤:しっかり鉛筆を持って書いているか、字はひょろひょろとした薄い字でなく、濃く書いているかどうかとか。筆跡をみれば、この問題で正しい答えを出そうとしているか、点数を取ろうという意欲があるか、とかまでわかりますよね。

安浪:筆跡は大事です。私も教え子のテストを見るときは点数よりも筆跡をよく見ます。

佐藤:式はね、5.6年ぐらいの文章題になると当然書かないとダメなんだけど、低学年で「ミカンが3個で、こっちは2個で足したらいくつですか?」ぐらいの、暗算でわかっちゃうような問題でも「2+3=5」としっかり書かせることが大事だと思います。

安浪:そうなんです。書くという事も3つに分解されると思うんです。まず一つは「式を書くというアクションができるかどうか」、「丁寧に書く事ができるかどうか」。三つめは「両方同時にできるかどうか」。

佐藤:なるほど。

安浪:式を書くことと、丁寧に書くことは違うんですね。だから両方できない子、つまり字は汚くて式が書けない子は、まず私は字を正すより式を書けるようにしますよね。式を書けるようにならなければ先に進めないから。同時にはムリです。

佐藤:そうですね、字汚いというのと、式が書けないは違う次元ですね。親はそこをごちゃごちゃにしてはいけないですね。

安浪:式の書き方がわからない、という子には、とにかく塾で先生が書いた板書を写してくるように言います。単に「板書を写してきてね」と言うと、子どもは目についたものだけをチャッチャッと写しておしまい、になりがちなんです。だからとにかく「先生が書いた通りに全て写す」ことを徹底させます。

次のページへしっかり式を書く習慣
1 2 3 4 5