学習障害の傾向があり、得意不得意分野の差が激しかった息子さん。特に漢字は大の苦手でした。そこで大場さんは、まず長男が好きな「ゲーム」に目をつけます。
「『信長の野望』という戦国ゲー ムを与えたら見事にハマって。歴史が大好きになり、戦国武将の名前を覚えていくうちに、漢字にも興味を持ち始めたんです」
塾には通わず、マイペースで得意分野を伸ばすことで学力がつき、 見事合格! 次男は漫画を使った勉強法で後に続きました。
「勉強も声かけと同じで、それぞれ理解しやすい学び方がある。できないことよりできることに目を向け、個性に合った勉強をすることが大切とわかりました」と大場さん。親子で力を合わせ、ベストな学習環境を掴んだのです。
●特徴ある子どもと寄り添うための3つのポイント
(1)その子の個性と世界観に寄り添って話をする。
子どもは誰もが得意なことを持っています。我が子の興味・関心は何か、まずはじっくり観察することが大切。その世界観に寄り添って話をすると、ずっと伝わりやすく、子どもの可能性も広がっていきます。
(2)できないことより、「できること」を意識して見る。
発達に凹凸があると、集団生活では苦手と感じることや叱られる機会が増えがち。せめて家では安心させてあげたいですよね。少しでも成長した点に目を向け、「よく頑張れたね」「挑戦しただけですごいよ」と頑張りを認めるクセをつけるよう意識しています。
(3)やってはいけないことでなく、「やっていいこと」を具体的に言う。
「ダメ!」「やめなさい!」などの禁止や命令は、状況を読みづらい子にはなかなか伝わりません。「走っちゃダメ」は「ゆっくり歩こうね」、「うるさい!」は「これくらいの声で話そう」など、具体的にやっていいことを伝えるほうが効果的です。
(取材・文 玉居子泰子)
※AERA with Kids 2021年秋号より抜粋。誌面では、このほかに発達障害&グレーゾーンの子どもに特に重要な7つの「声かけ変換」を紹介しています。ぜひご覧ください。
AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2021年 秋号 [雑誌]
朝日新聞出版

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