■陽性者や濃厚接触者らには個別に対応する学校も
個別に対応する学校もある。宝仙学園(東京都中野区)は、受験生の状況に応じて対応している。
「昨年は濃厚接触者や感染から回復した受験生が3人だったので、入り口や入試会場、時間帯を分けて入試を行いました。今年も同様の対応をする予定ですが、感染者が増えれば、新たに追加日程を設ける可能性もあります」(中野望教頭)
同校は、現時点では保護者の付き添いを認めており、控室の提供も予定しているが、今後の状況によっては中止になる可能性もあるという。富士晴英校長は次のように話す。
「出願した受験生には、必ず受験の機会を設けます。柔軟に対応していくので、不安に感じていることがあれば相談してほしい」
入念な対策を講じているのが、芝浦工業大学附属(東京都江東区)だ。受験生には、受験の1週間前から体温などをチェックする「体調管理カード」の記入を義務づけている。
入試前日や、午後入試がある日の昼休みは、教員が総動員で机や椅子、階段の手すりなど校内を除菌する予定だという。追加日程として2月6日に発熱対応受験日を、12日にはコロナ対応受験日を設けている。特色入試は個別に対応する。
「受験生が試験に集中できるようにしっかりと対策していきたい。受験生は、安心して受験してほしい」(広報部長・斎藤貢市先生)
■急速な感染拡大で、試験直前まで変更の可能性
他の各校も検温や除菌のほか、集合時間を分散したり、ひとつの教室の受験生の数を減らしたりするなど、対策を講じている。
受験生側も、手洗いやうがい、外出時の不織布マスク着用など、基本的な対策を入念に行うことが大切だ。家族も家庭内感染を防ぐために人混みを避けるなど、予防に努めたい。試験前の追い込み学習も大事だが、この時期は体調を整えることを第一に、栄養のある食事と睡眠も十分に取ろう。
急速な感染拡大で、今後さらに入試要項が変更される可能性がある。北さんは受験生に「状況は刻一刻と変化しています。受験する学校のホームページは、毎日チェックしましょう」とアドバイスしている。
(文/柿崎明子)