その説話によると、天国と地獄は、実は全く同じような場所みたいなんだ。大きな草原が広がっていて、いろんな動物たちがいて、食べ物は大きな鍋にうどんみたいなものが入っているんだって。じゃあ何が違うのかというと、そこにいる人々の行動らしい。
どうやら、天国でも地獄でも、うどんを食べるのに1メートルくらいある長い箸(はし)を使わないといけないみたいなんだ。1メートルの箸しかないのは少し疑問だけど……(笑)。まあとにかく、1メートルの箸でうどんを食べるのはすごく大変そうだよね。地獄にいる人たちは長い箸を使って自分で食べようとするんだけど、箸が長いから口まで運ぶことができなくて結局食べられない。だけど、天国にいる人たちは、向かい側にいる人にその箸を使ってお互いに食べさせ合っているという話なんだ。
この説話を読んでよしおは、天国か地獄かは自分の考え方や行いで決まるということを言っているんじゃないかな、と思ったよ。他人のことを思って行動すれば周りがハッピーになって、結果的に自分もハッピーになって、天国みたいな気分になれるのかな、って。
いま生きている世界でも、「地獄みたいな時間だった~」とか、「天国みたいな気分だ」って言うことがあるじゃない? だからまさにこの世にも天国と地獄があって、感じ方や考え方、自分の行いで天国か地獄かは変わるものなのかなあ、と思ったよ。
それから、世界には天国と地獄をテーマにした音楽や絵や物語がたくさんあるね。君も知っているかな? 運動会のかけっこのときなんかに流れる「天国と地獄」という曲があるよね。地獄をテーマにさまざまな絵を描いていたヒエロニムス・ボスという画家もいたんだ。
「死後の世界」というくくりにしたら、もっといろんな作品が出てくるんじゃないかな。最近でいうと、ディズニー映画でも、魂の物語を描いた「ソウルフル・ワールド」なんかがあったね。よしおが知っている以外にもたくさんあると思うんだけど、そうした天国や地獄、死後の世界を描いた作品を見てみたら、君の疑問を解決するのに、何か役立つかもしれないね。
次のページへいろいろ考えてみたけれど…