ここから多くのアスリートが生まれた。東京2020大会代表のうち、 陸上競技の桐生祥秀は東洋大に進み、2017年に100メートル走9秒98を出し日本人初の9秒台を記録した。バスケットボールの比江島慎は青山学院大、バレーボールの大塚達宣は早稲田大に入学し、大学スポーツで活躍している。
桜花学園高校は全員バスケットボール(うち3人制が2人)、近畿大附属高校は競泳3人とアーティスティックスイミング2人、天理高校はホッケー3人と競泳2人となっている。
12位4人は県立ふたば未来学園高校(福島)、県立伊吹高校(滋賀)、豊川高校(愛知)となっている。
ふたば未来学園高校は、東日本大震災の復興のさなかに生まれた学校といっていい。福島県双葉郡の県立高校(双葉高校、浪江高校、浪江高校津島校、富岡高校、双葉翔陽高校)は、震災によって、自校での授業再開のめどが立たず、2015年度からの募集を停止した。その後、県と双葉郡の復興を実現する鍵は人材育成にあるとして「双葉郡教育復興ビジョン」を掲げ、中高一貫教育校のふたば未来学園高校が開校した。2019年にはふたば未来学園中学校が開校し併設型中高一貫校となった。
ふたば未来学園高校の前身、富岡高校出身にはバドミントンの桃田賢斗がいる。高校1年のときに震災が起きた。彼は震災後の母校を見て、こう話していた。
「いつも練習していた体育館の蛍光灯が全部落ちて、照明のガラスも割れていました。教室も、机や椅子が倒れて教科書が散らばっていて、廊下は足の踏み場がないくらい。そこだけ時間が止まっているような感じでした」(Yahoo!コラム=平野貴也 2021年3月8日)
豊川高校は競泳3人と陸上1人、伊吹高校は男女2人ずつ全員ホッケーの代表である。
15位3人は札幌山の手高校(北海道)、作新学院高校(栃木)下北沢成徳高校(成徳学園高校、東京)、至学館高校(愛知)、府立洛北高校(京都)、羽衣学園高校、大阪桐蔭高校(いずれも大阪)など17校だった。
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