ほかの都立中高一貫校も東京都の意向を踏まえ、独自色を出している。桜修館中等教育学校は「真理の探求」、立川国際中等教育学校は「国際社会に貢献するリーダーを育成」、三鷹中等教育学校は「思いやり・人間愛(ヒューマニティ)を持った社会的リーダーの育成」をキャッチフレーズに掲げており、それぞれ特色のある教育を行っている。
■高校受験がない中学3年の時間を有意義に使える
6年間一貫校の場合、高校受験に挑む必要がない。中学3年での中だるみを不安に感じるかもしれないが、学校側も工夫を凝らしている。
「中学3年次に海外研修や海外でのホームステイ研修を設けている学校も少なくありません。貴重な体験を積むことができます」(栗原さん)
藤田さんも「高校受験がない分、卒業研究などで好きな分野を学べる利点があります。中学3年間、部活動に打ち込めるのも中高一貫校の魅力だと思います」と話す。
(文/菅野浩二)
【話を聞いた人】
成城中学校・高等学校前校長 栗原卯田子さん
都立高校の教頭、校長を歴任したあと、都立中高一貫校の改編に携わる。都立小石川中等教育学校の校長を6年間、私立成城中学校・高等学校の校長を8年間務めた。
栄光ゼミナール指導統括室 藤田利通さん
指導歴30年。中学入試の理科を指導し、御三家中の入試対策ゼミを20年以上担当。2018年から栄光ゼミナール中学入試責任者を務める。
偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び 2022 (AERAムック)
朝日新聞出版
著者 開く閉じる