また、貯金箱は、学校経由だと校内審査があるのでコンクール自体に出品されないことが多いです。しかし、個人で応募すると審査してもらえます。もし、学校の先生や友だちに見てもらうよりも、コンクールに出したいと思われる方は、個人応募をおすすめします。

 でも、貯金箱はおすすめのコンクールがあります。学校に持っていく前に、作品の写真をとって写真を送るだけで審査してもらえるコンクールもあるのです。(理科の自由研究も同じように応募できます。)

学校現場で見直していけることは?

  子どもの負担、保護者の負担のことを中心に、夏休みの絵や貯金箱・読書感想文のことを述べてきましたが、教員の働き方改革の観点で文科省から提言が出ています。

 以下は、その一部です。  

①作文・絵画コンクール等について,学校単位での応募や学校による審査や取りまとめを要件としない。

 ②学校経由での子供への周知を求めないようにする。

 2019年の提言ですが、まだまだ知られていないと思います。私も知ったのは3年ほど前です。そして、まだ学校にはたくさんのコンクールの案内がきています。

 今回は、「なぜ、夏休みの宿題に絵や貯金箱・読書感想文があるの?」という疑問から、
保護者・先生の立場で感じることや改善の工夫を紹介させていただきました。

 私が子どもだったころや、私が教師になった23年目に比べると、習い事で忙しい子どもが増えています。共働きや核家族のご家庭も増えています。子どもや保護者、そして学校の状況を元に、考えたり見直したりするきっかけになればうれしいです。

(文/松下隼司)

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松下隼司
松下隼司

1978年生まれ。奈良教育大学卒業。大阪の公立小学校に勤める現役教師。2児の父親。文部科学大臣優秀教職員表彰を受賞。令和6年版教科書編集委員を務める。著書に絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)、『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、教育書『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、『教師のしくじり大全 これまでの失敗とその改善策』(フォーラムA企画)などがある。教師向けの情報サイト「みんなの教育技術」で連載を持つほか、Voicy「しくじり先生の『今日の失敗』」でパーソナリティーを務める。

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