子どもの年齢や発達段階にもよるので、一概には言えませんが、「やっときや~」では、子どもはやりませんし、できません。
私の家庭も妻と共働きです。平日は家に子どもだけで、仕事から帰宅してからはまとまった時間がとれません。
そこで、土日などの休日に一緒に取り組むことになります。そして、つい横からいろいろと口を出してしまいます。スマホやパソコンで参考資料を調べたり、教師目線で描き方や作り方のコツについて教えたりしてしまいます。わが子のやる気がない姿にイライラして叱ってしまうことも多かったです。絵の具をこぼしてテーブルや床を汚した子どもを叱ってしまうこともありました。
そして、できあがったら、「できたー!」と喜ぶわが子の傍らで、親はへとへとになっているのです。
親が言わなければ、親が一緒に横にいなければ、子どもだけでは絶対に作品はできないと強く思うようになりました。私は「子どもとのいい夏休みの思い出ができたな~」とは一回も思えたことはありません……。夏休み終わりギリギリに取り掛かることが多かったので、「夏休み最後の休日、どこかに家族でお出かけしたかったのにな~」と思うことのほうが多かったです。
担任として、親としてできる工夫は?
親御さんや子どもの苦労を知ってからは、私のクラスでは絵や貯金箱づくり・読書感想文の課題を「自由」(やってもやらなくてもどちらでもいい)にしました。
以前は、「絵か貯金箱のどちらかをしてくる」ようにしていました。読書感想文は、課題図書か自由図書、どちらかのテーマで必ず書いてくるように言っていました。学年や学級担任の裁量で決められない(学校全体で方針が決められている)場合は、1学期中に下描きをして家で色を塗ったり、読書感想文の続きを書いたりするだけでいいようにしました。0からのスタートでなく、少しだけでも進めておくと家庭での負担がかなり減ると思ったからです。それほど、わが子の作品づくりは大変でした……。
次のページへ学校現場で見直していけることは?