当時の僕は大の負けず嫌いで、相手が誰であれ、何をするにも1番になりたいという思いがありました。3人の兄たちにゲームで勝つために、「正面突破だと無理だから、回り込んでみよう」とか、「ここにワナを仕掛けよう」とか、さまざまな戦略を練りました。
外遊びでも、普通の鬼ごっこでは足の速い子にかなわないので、いつも勝手にルールを付け足しては、“自分が1番になれる遊び”を作り出していました(笑)。
振り返れば、ルールを足したりオリジナリティーを出したり、強くなるために考えて試行錯誤した経験が、謎解きをつくる今の仕事につながっている気がします。
決まった遊びを決まったルールですることって、これからの時代にはあまり役立たないのではないでしょうか。それよりも、既存のものを壊して新しい要素を加えたり、ときには自分でルールまで作り出したりする力のほうがずっと大切。夏休みの自由研究でも、その後の人生で生きてくるそんな力を、子どもたちにはどんどん育んでほしいなと思います。
(取材・文 中村茉莉花)
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朝日新聞出版

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