1978年に建築された独立棟の図書館本館は赤レンガ造りの三層構造で、東京都建築士事務所協会最優秀賞や日本図書館協会建築賞・特定賞などを受賞。1階には三つの閲覧ゾーンと書架が配置されて3クラスが同時に授業可能のほか、地階には視聴覚ホールと集密書庫、2階には開架式書庫と個人閲覧席を備えています。常設された80台のパソコンでは新聞記事検索など8種のオンラインデータベースが使用でき、総合学習などの授業にも活用されています。2010年に中学校舎内にオープンした図書館分館には40台のパソコンが設置され、語学学習資料や学習漫画が充実しています。本館と分館合わせて約20万冊という蔵書数は、中高一貫校としては国内屈指の規模です。
1階から4階まで吹き抜けの開放的な空間
2位に選ばれた恵泉女学園(東京都世田谷区)は、1929年にクリスチャンの河井道によって創立された伝統女子校です。図書館は生徒の自立学習を助けるための情報センターとして「メディアセンター」と呼ばれ、約9万冊の蔵書のほか、パソコンやテレビ、デジタルカメラ、電子黒板などの電子メディアも備えます。1階から4階まで吹き抜けの開放的な空間は、読書や自習の場としても人気のほか、授業や行事に関する特別展示のスペースとしても使われています。センター内には、机が可動式でアクティブラーニングにも対応できる学習室のほか、二つのコンピュータ教室や学園史料室、自習のためのキャレルデスク、留学生の国際交流コーナー、放送室スタジオなどがあります。自習や閲覧のスペースは、静かに学習や読書したい人向けの「静けさゾーン」と、おしゃべりしながら利用したい人向けの「にぎわいゾーン」などにゾーン分けされ、いろいろな目的の人がそれぞれに使いやすいよう工夫されています。
図書館の名称を「第三教育センター」に
3位の市川(千葉県市川市)は1937年に開学し、共学化した2003年の新校舎竣工を機に、図書館の名称を「第三教育センター」と改めました。「第三教育」とは同校の建学の精神の一つで、家庭教育を「第一教育」、学校教育を「第二教育」とし、それらと並行して自ら学ぶ自分自身による教育を「第三教育」と呼んでいます。
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