「オレ、漫画家になる」と夫の宣言
――そのあと高知で末っ子のヨッちゃんを産むわけですが、漫画家になったのはそのあとだそうですね。それまでは趣味でも漫画を描いたことがなかったと聞いて、びっくりしました。
それ、すごく驚かれます。
でも、最初に「漫画家になる」って宣言したのは夫なんです。三男が生まれてすぐのころでした。
もともとクリエイティブなことが好きな人でしたし、サラリーマンをやめるわけでもなく、週1回の漫画教室に通いたいということだったので、「いいんじゃない?」って。
高知に移住したのも「夫が漫画を描く時間を増やせたらいいな」という思いもありました。
――それなのに、どうしてもとこさんが漫画を?
長女が生まれて、久しぶりの新生児が本当にかわいくて、その顔をボールペンでサラサラっと落書き程度に描いてみたんです。
そしたらその絵を夫が見つけて写真を撮って、スマホの待ち受け画面にしてくれていたんです。「かわいかったから」って。
それがすごくうれしくて、少しずつ子どもたちの様子をイラストや漫画にし始めました。
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――それをTwitter(現X)に投稿したら、反響があったんですね。
ありがたかったです。Instagramにもあげてみたら、「いいね」がすごくつきました。年の差のあるきょうだいっていうのが珍しかったんでしょうね。思いがけず、私のほうが先に漫画家になってしまいました。
夫もがんばっていますが、それでも「もとこの方が忙しいから」と、家事もメインで担当してくれているんです。
――そのときどきで役割分担を変えているんですね。
そうですね。今は私が大黒柱で、夫がおもに家事をしてくれていますが、時期がくればまた変わるかもしれません。「女性だから」「男性だから」でわけることなく、「できる方がやればいいんじゃない?」と思っているんです。
「好きなことをしなさい」がプレッシャーに
――自由な発想で、「やりたいこと」を実行しているもとこさんご夫婦、とても素敵です。一方で、お子さんたちの「やりたい」を支えるためにしていることは?
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