年の差のある4人兄妹の日常を描いたコミックエッセイ『うちのヒフミヨ! 兄たちは妹びより』で大人気のもとこさんは、高知県在住の漫画家です。といっても高知県出身ではなく、「どこかに移住してみたい」という好奇心からの決断でした。漫画を描き始めたのも、末っ子のヨッちゃんを産んでから。「やりたい!」の気持ちに正直に生きるもとこさんの思いを聞きました。※前編<思春期の兄が15歳差の妹にメロメロ! 3男1女を育てるママ漫画家に聞く、兄たちが優しい理由とは>から続く

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「おもしろそう!」で決めた地方移住

――もとこさんは10年前、それまで住んでいた神奈川県から高知県に移住されたそうですね。当時、長男のヒーくんは12歳、次男のフーくんは8歳、三男のミーくんは3歳。なぜ移住を考えたのですか?

 当時は横浜に住んでいたんですけれど、ママ友の一人が公園で「私、香川に移住することにした」って言ったんです。びっくりしました。

そのころは東日本大震災が起きてからまだ時間がたっていなくて、地方に移住する人が増えているっていう話をチラホラ聞いていたんですが、ママ友の移住の話を聞いて急に身近に感じたんです。「移住って、なんだかおもしろそう!」って。

――移住のきっかけは「おもしろそう!」だったんですか?

 そうなんです(笑)。夫も私も関東の出身で、地方で暮らした経験はまったくありませんでした。横浜では親子ともに友だちもいっぱいいたし、何の不満もなかったんです。

 でもそのころ、夫は忙しすぎて帰ってくるのも遅くて、私も3人の子育てでパンクしそうになっていました。

 だから「地方に転居して、古い家を買ってリノベーションして暮らすのもいいかも」って考えたらワクワクしちゃったんです。

 夫も「脱サラリーマンしたい」っていう気持ちが芽生えていたので、2人で少しずつ移住先を探し始めることにしました。

――高知県を選んだのはどうしてですか?

 場所を限定せずに探していたんですが、「移住する人が事前に体験できる施設があるらしい」という話を聞いて、「移住体験」っていうワードでググってみたんです。そしたら高知県が出てきました。

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神素子
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