本を読んでいると、そこから興味の対象が見つかることもたくさんあります。そして、検定につながっていく。「楽しく学べる」ものは本だと思っています。

――本から「楽しく学ぶ」とはどういうことですか?

 本を読んでいると、物語以外にも登場人物から学べることがたくさんあります。たとえば偉人の伝記などを読んでいると、自分の人生をほかの人のために費やしたり、あきらめずにひとつのことを貫いたり……「すごいな」「こんな考え方もあるんだな」と、憧れたり元気をもらったり。社会のことも勉強できます。世界の情勢など、本から知ることが多いです。

 私が1歳くらいのときの動画を見ると、まだ字は読めないのに絵本のページをめくっているんです。お母さんが家で英語教室を開いているので、お母さんが授業中はその横で、生徒さんたちと同じテキストを見ていたそうです。家には英語や日本語、さまざまな本がたくさんあって、小さなころから本はとても身近な存在でした。だから、本がいちばん学びやすいのかもしれません。

幼児期のりりあなさん(本人提供)
幼児期のりりあなさん(本人提供)

  今、いちばん興味があるのが「ライフセーバー」です。水泳をずっとやっているし、人の役に立ちたいという気持ちも強いので……。でも、ライフセービングの資格の種類にもよりますが、さすがにまだ年齢が若すぎて(笑)。そこで、「すみっこぐらし検定」を受けたいなと思っています!

<笹沼颯太のつぶやき>

 前編でもご紹介しましたが、「ヨンデミー」では「読書家のワザ」というものを提案しています。その中の「みきわめる」ワザは、本の中から自分に役立つ、大切なことを見つけるというものです。りりあなさんは、自分のための学びや、素敵なところを見つけるのがとても上手。見極め力が優れているんですね。本から得た学びを次につなげているところもさすがです。これぞ読書家!と思いました。Yondemyが運営するPodcast番組『おうち読書のミカタラジオ』でも対談の感想や本の読み方のアドバイスなどを配信しています。

映画「窓際のトットちゃん」オーディション時の1枚(本人提供)

※前編<9歳の子役・大野りりあなに聞く、読書の魅力 「本は自分の世界を広げてくれる大親友」>から続く

(構成/三宅智佳)

【前編はこちら】9歳の子役・大野りりあなに聞く、読書の魅力 「本は自分の世界を広げてくれる大親友」
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笹沼颯太
笹沼颯太

Yondemy(ヨンデミー)代表取締役。筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。東京大学経済学部経営学科に進み、3年生で中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。著書に『東大発!1万人の子どもが変わった ハマるおうち読書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。

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