もし、友だちが不登校になったら、どう接すればいいのでしょうか。不登校ジャーナリスト石井しこうさんは、「不登校の私が、どうしたら生きていけるのか」をテーマに、同じように不登校になった人や保護者など、これまで400人以上に取材をしてきました。石井さんの著書「学校に行かなかった僕が、あのころの自分に今なら言えること」(大和書房)から紹介します。
【マンガで読む】不登校、親から見た世界・子どもから見た世界の違い(全31枚)どうしてあげるのがいいですか? 友だちが不登校をしています
友だちが学校へ来なくなったり、休みがちになったりしたときはどうしたらいいでしょうか。声をかけるべきなのか、逆に声をかけないほうがいいのか。修学旅行なら誘ってもいいのか、悩ましい問題です。
友だちならば、心配で声をかけるのは自然だと私は思うのです。遠慮せずに連絡してください。行きしぶりや不登校の理由も聞きたければ聞いてもいいですし、自分がいっしょに行きたければ「修学旅行へ行かない?」と誘ってもいいでしょう。
なお、不登校理由を聞くことや催促は「状況や背景をよく考えてから」というのが支援者の鉄則なのですが、友だちどうしの場合は、そんなものは関係ありません。友だちどうしには、支援者と対象者という関係性では、とうてい越えられない 「特別な信頼関係」 があるからです。
ただし、本人は傷ついているので3つ、守ってほしいことがあります。
1つ: 本人がいやがることはやめてください。
学校へ来るのをいやがっていたら「学校へ来てよ」としつこく誘うのは人としてよくありません。嫌いな食べ物をムリに食べさせるのと同じ行為です。
2つ:こちらの呼びかけに返事がなければ、それは「返事ができない状態だ」と理解してください。
LINEやチャットで「今度、遊びに行っていい?」などと連絡をしても返事がないこともあるでしょう。それは「YES」とも「NO」とも言えず困っている状態なのです。しばらく返事がなければ「気にしないで」と言って、誘いを取り下げてください。想像しづらいかもしれませんが、人は傷つくと判断するのが難しくなるのです。