上手く誘えず、夫に拒否されたこともあって、思いつめていきました。体外受精などの方法もあったのでしょうが、お金もかかるし気持ちの上でも大変。体のことと子どものことを切り分けて解決できたらいいのに、と思っていました。
――焦る気持ちもあったとか。
妊娠できる日って、1カ月の中で数日ぐらいしかない。そして、「子どもが欲しいと思っている日々」のなかで、今が一番若い。若いほうが妊娠できる確率が高いのなら、できるだけ早く妊活したい。
排卵日とは何かも、夫はきちんと理解していませんでした。そんな妊娠への知識の差も、夫と私との考えの溝が埋まらない原因でした。
妊活のためのアプリでチェックして、「排卵日だ」「妊娠しやすい時期だ」となると、私は「今回こそ絶対に!」と焦る気持ちがあるのですが、ぽちおはそう言われると萎えるというか、プレッシャーがかかってできない……。「眠い」と言われることもありました。「私の体は待ってくれないのに」と、私だけ焦る。排卵日が近くなると、毎回、そんな感じでした。
――女友達にも相談されていたそうですが、抵抗はなかったですか?
幼なじみの友人たちにレスのことを相談していましたが、お互いに嫌なことは言わず、集合してお茶をしながら、ワーッと喋って「いろいろあるよね」という感じでおわる。だから、抵抗はなかったです。「デートでよく行くのはスーパー」「最近、旅行も行っていない」と友人たちに言うと、「マンネリ化しすぎた状態はやばい」と忠告されました。「結婚記念日に旅行に行ってくれば?」とアドバイスされました。
この時の友人たちとの話とは関係ないのですが、ある日、ぽちおに誘われて旅行に行くことになりました。レス解消に動き出して半年後ぐらいのことでした。そこから少しずつ関係が変わっていきました。
※後編へ続く
(取材・文/永野原梨香)
小池ぬーみん

