小・中学校、高校を中心に、年間120回を超える性教育講座をこなす、サッコ先生こと産婦人科医の高橋幸子先生。講義のあとは、「テクノブレイクがウソとわかってよかった」という男子生徒からの感想も多いそう。テクノブレイクとは、「自慰行為のし過ぎで死ぬこともある…」という、ネット上でのウワサ。誰にも言えずにおびえていたけれど、専門家の口からはっきりと「それはウソ!」と聞けて、心の底から安心した様子が伝わってくる。いまどきティーンズの性の常識。親世代も、知識のアップデートをぜひ!

MENU ●あふれる情報に翻弄される、いまどきティーンズたちが心配です ●正しい性の知識は「ライフスキル」。自分の身を守る大切な能力!

「皆さん、こんにちは! 趣味・性教育、特技・性教育、仕事・性教育の産婦人科医、高橋幸子です。これから『正しい知識があなたを守る。いつか必ず役に立つ、性教育講座』を始めます!」。軽快な語り口に、ときには10人の小学生、ときには約300人の高校生たちが真剣に聴き入る。サッコ先生は、どんなことを大切にしながら子どもたちに向かっているのだろう。

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●あふれる情報に翻弄される、いまどきティーンズたちが心配です

 子どもが中学生や高校生になると、親子の間で性の話をするのはなかなか難しいものです。思春期の子どもたちは「ひととおりのことは知ってるし」とか「わからないことはネットで調べればわかるし」と思っているし、そもそも性にまつわる疑問を親に話すことなんて、まずないでしょう。親だって、たとえば子どもに「コンドームはちゃんと使える?」なんて、なかなか聞けませんよね。

 たしかに、ネットには性に関する情報があふれています。しかしその中には当然、ウソも山のようにあります。そのウソが子どもたちの性の教科書になってしまう前に、正しい知識をつけてほしいと思っています。

 少し前、ネット上で「テクノブレイク」という言葉が登場しました。これは、自慰行為をしすぎることでホルモンの過剰分泌がおこり、ときには死に至る場合も……といった、まことしやかなうわさ話です。

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三宅智佳
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