よく聞くと、その子はほかの子のことも同じようにからかっていたみたいでした。「ほかの子にも言わないほうがいいよ、ってその子に言えたらいいね」と息子に伝えると「うん、今度言ってみる」って。いい顔をしていました。

問題を自分で解決する方法を伝えたい

――担任の先生には相談しなかったんですか?

 私はしなかったんですが、ほかの保護者は相談していたみたいです。

 先生もちゃんとクラスの状況はわかっていたみたいで、面談のときに「最近、すごく仲よくなったみたいですね」と話してくれました。

――学校に相談しなかったのはどうして?

 深刻ないじめなら相談したと思いますが、息子の話を聞く限りそこまでではないな、と。

 私、息子には自分の気持ちをきちんと言葉にして伝えられる子になってほしいんです。だからこういうときはチャンスなので、「どう相手に伝えたらいいか」を2人で入念に相談します。

「言ったけど、伝わらなかった」というときには、「じゃあ、こう言ってみようか」って次の手をいっしょに考えます。

 大人が間に入って仲直りさせることもできると思うんです。でも、まずは本人が気持ちを整理して相手に伝え、相手の子も気持ちもちゃんと聞く。人間関係って、その積み重ねですよね。

 さっきの話にでてきた子とは、今ではもう大親友になっています。いい仲間って感じで、私も安心しました。

――お子さんに正面から向き合っているんですね。

 結局のところ、子どもが自分で解決する方法を知らなければ、また別のトラブルに巻き込まれていくわけです。

 親がやってくれるんじゃなくて、自分がやるんだって思えば、トラブル回避しようとしたり、解決のために動きますよね。うまくいくこともあれば、失敗することもある。そんな体験を、子どものうちにたくさんしてほしいと思っています。

中学受験は、今のところ考えていません

――小3になると、受験を見据えて塾通いを始める子もいます。亜美さんのご家庭はいかがですか?

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